ワイン日記

ブルゴーニュのドメーヌが北海道でつくる「ド・モンティーユ&北海道」のワイン3種を飲み比べ

ススキノのど真ん中にあるワインショップ「グランヴァンセラー」で、魅力的な北海道ワイン3種テイスティングができたので、いただいてきました。

ド・モンティーユ&北海道

フランス ブルゴーニュのドメーヌ・ド・モンティーユの当主エティエンヌ氏が、外国のワイン生産者として日本初のブドウ農園「ド・モンティーユ&北海道」を2016年に立ち上げました。

自社畑ブドウのワインはまだリリースされておらず、北海道 余市産のブドウを同じく北海道の空知にある「10R(トアール)ワイナリー」の醸造設備でつくられたワインが今回ご紹介するワインです。

10Rワイナリーはアメリカ人のブルース ガットラブ氏がオーナーのワイナリーで、自社畑のブドウのみならず自社畑以外のブドウによるワインつくりなど、北海道全体のワイナリーを盛り上げるべく活動されています。北海道ワイン史において欠かせない人物だと思います。

ド・モンティーユ&北海道|學 2020

今回テイスティングしたのが、こちらの3本。左から、ツヴァイゲルト、ピノ・ノワール、ケルナー。

北海道のワインは近年大きく品質が向上していますが、世界のワインと比較して肩を並べられるのはまだまだごく一部の印象です。

自社畑のブドウではないものの、北海道のブドウを北海道の醸造設備で、フランス ブルゴーニュの一流ドメーヌがワインをつくるとどうなるか。その実力やいかに。

ド・モンティーユ&北海道|學 2020 ケルナー

ドイツ系白ブドウ品種のケルナー。北海道では、冷涼な気候のためドイツ系品種のワインがつくられてきました。あまり一般的な品種ではないですね。

色合いはレモンイエロー。香りはグレープフルーツの皮など柑橘系にチョーク。フレッシュな印象です。

味わいの第一印象は、レモンのようなイキイキとした酸味で、キレイな酸です。チョークのようなミネラル、トーストのようなニュアンスもあります。樽熟成でしょうか?とても複雑な印象です。少しオイリーで、良いリースリングのような印象を受けます。

複雑で、酸味・果実・ミネラルのバランスが良くとても上品。これまで様々な北海道のケルナーを飲んできましたが、一番美味しかった。

ワインの味わいの多くはブドウで決まりますが、自社ブドウではないブドウを使ってここまで仕上げてくる技術はやはりすごいと思います。ブルゴーニュすごい。。

ド・モンティーユ&北海道|學 2020 ピノ・ノワール

色合いはキレイなルビー。チューイングガムもしくは接着剤のような苦い香りが印象的。この香りは、北海道ワインを飲み比べた時に多く感じた香りです。なので、北海道でピノ・ノワールをつくるとこういう系統になるのかなと感じました。

口に含むと、あたたかいトーストに塗ったいちごジャムの香り、梅も感じます。香りの印象とは逆に、身体にスッと入るようなすむーずな飲み口です。独特な風味はあるものの、洗練された感じがするのが不思議です。これはこれでおいしい。

ド・モンティーユ&北海道|學 2020 ツヴァイゲルト

ドイツ系黒ブドウ。冷涼な気候でもしっかりした味わいのでる品種で、北海道ではツヴァイゲルトのワインが多くつくられてきました。

色合いはガーネット。ピノ・ノワールより濃い色合いですが透明感があります。プラム、鉄、茎、中華系スパイスのような複雑な香り。

味わいの第一印象は、ハツラツとした酸味です。やはり北海道のワインは酸が印象的です。タンニンは中程度で、喉を通った後チューイングガムのような香りが鼻から抜けていきます。チューイングガムはピノ・ノワールの時も感じた香りです。アフターに種子のような苦味を感じます。

ピノ・ノワールよりしっかりした味わいで、キャンティに似てる気がします。

まとめ

ブルゴーニュの一流ドメーヌがプロドュースする「ド・モンティーユ&北海道」3種をいただきました。

これまで飲んだ北海道ワインの中でトップレベルの味わいです。自社畑のワインが2023年よりリリースされるようなので、とっても楽しみになりました。北海道のテロワールはこういうものというのが定まっていない中、一流生産者の手がける北海道ワインが早く飲んでみたいです。

とても有意義な時間でした。