ワインのギモン

【わかりやすく解説】ブルゴーニュワインの特徴とおすすめワイン

ボルドーとならび、世界でもっとも有名なワイン産地であるブルゴーニュ。ワインに詳しくなくてもその名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。

実際にブルゴーニュのことを詳しく知らなくても、きっと飲んだことのあるであろうワインがブルゴーニュです。

では、ブルゴーニュの一体何が素晴らしいのか、この記事では「年に240種以上のワインを飲む」宅飲みワインエキスパートが、ブルゴーニュワインについてワイン初心者の方に向けてわかりやすく解説します。

この記事を読むことで

▼ブルゴーニュワインの特徴がわかる

▼ブルゴーニュワインのおもな産地がわかる

▼ブルゴーニュワインを選ぶ際の基準がわかる

▼ブルゴーニュワインが飲みたくなる

それではさっそくいってみましょう!

ブルゴーニュワインの特徴

ブルゴーニュワインは、世界最高級のワインを生み出す地域として世界から認知され、憧れのワイン産地です。名実ともにワイン生産地の最高峰でしょう。世界中のワイン愛好家から絶大な支持を得ています。

ブルゴーニュの土地・気候

ブルゴーニュは、フランス北東部 パリから車で約3時間と日帰り圏内にあります。北緯47度から北緯47度30分の間に位置しています。日本で言うと、最北端の稚内市で北緯45度なので、かなり北に位置しているといえます。

冷涼な気候ではありますが、大西洋海流と偏西風の影響で高緯度の割にはあたたかく、北海道や東北などの冷涼な地域と同じくらいの気候と言われています。

また、寒暖の差が大きいのも特徴です。冬は寒く、夏は暑いため、ブドウの生育期間中には、昼夜の気温差が大きくなります。これによって、ブドウの成長が促進され、酸味が豊かなワインができるようになります。

単一品種でつくられる

ブルゴーニュの代表品種は、白ワインではシャルドネ、赤ワインではピノ・ノワールが挙げられます。そして、それらはブレンドされることなく単一品種でワインがつくられるのがブルゴーニュのワインつくりの特徴です。

白ワインのシャルドネは、世界各地で生産され、その土地の特徴に応じた味わいになる七変化のようなブドウ品種です。ブルゴーニュでつくられる特徴は以下の通りです。

ブルゴーニュのシャルドネ

ブルゴーニュのシャルドネは、果実味と酸味のバランスが良く、豊かな香りと複雑な味わいが特徴です。また、多くの生産者は古くからの伝統的な醸造方法を採用しており、樽で熟成されたものはバターの風味があり、非常に上質なワインとして高い評価を受けています。

赤ワインのピノ・ノワールは、果皮が薄くてカビやすく暑さに弱いため、シャルドネとは反対に「土地を選ぶブドウ品種」です。日本では、北海道 余市で高品質なピノ・ノワールワインが近年生産されるようになってきました。

ブルゴーニュのピノ・ノワール

繊細で優雅な味わいが特徴で、赤いベリー系果実やフローラルな香り、熟成すると紅茶やきのこや出汁、さまざまなスパイスのニュアンスが感じられます。ただ、一番お魅力は、なんといっても複雑で妖艶な香りです。

妖艶は抽象的ですが、一度ブルゴーニュ ピノ・ノワールの魅力に取り憑かれた人は「ピノマニア」と呼ばれるほど、その世界にどっぷりハマってしまいます。それくらい魅力的なワインということです。

テロワールを最大限生かしたワインづくり

テロワールとは、気候や土壌、地形や標高などブドウ畑を取り巻くすべての自然環境のことを言います。

ブルゴーニュでは、気候・土壌条件が、異なる小規模な畑ごとに大きく異なります。これにより、同じブドウ品種でも、畑の位置や標高、土壌の種類などによってブドウの味わいが変化します。

畑ごとに異なる味わいを引き出すことができるため、ブルゴーニュでは小規模な畑ごとに分けて栽培し、畑ごとに収穫し、ワインを醸造することで、畑の特性を最大限に生かしたワインが作られています

また、このような取り組みは、生産者の多くが畑とワインの品質に対する熱心な情熱や誇りを持っていること、多くの生産者が家族経営であることから、畑とワインに対する個性的なアプローチが可能となり、ブルゴーニュワインの個性的な味わいが生まれることにつながっています。

畑に等級がある

ブルゴーニュでは、畑の特性を生かしたワインつくりがされていることがわかりました。つまり、畑によってワインの味わいが大きく異なるというです。

そのため、ブルゴーニュの格付けは「畑(土地)」に対して行われます。ボルドーが「シャトー(生産者)」に対して格付けしているのとは対照的ですね。

全部で4等級あって、等級が上がるにつれて対照範囲が狭くなっていくのがわかるでしょうか。逆にいうと、「対照範囲が狭い→等級高い→価格も高い」と想像できる訳です。

かの有名な「ロマネコンティ」というワイン、実は畑名だったんです。グランクリュに格付けされたロマネコンティという畑のブドウのみを使ってつくられたワインが「ロマネコンティ」です。一つの畑ゆえ、ワイン生産量も当然少ないため、希少価値という意味でも価格は高くなるのです。

ワインに表示されるAOC名がこの4等級のうちどれにあたるのか、それを知るだけでもワイン選びの軸がしっかりしてきます

ブルゴーニュワインの主な生産地

ブルゴーニュでは、畑の特性を生かしたワインつくりがされていること、畑や村などの土地ににかくづけがされていることがわかりましたね。

ここでは、具体的にブルゴーニュの生産地をご紹介していきます。まず、ブルゴーニュにある6つのワイン生産地区です。

ブルゴーニュの6つのワイン生産地区

①シャブリ地区

ブルゴーニュ北部に位置し、冷涼な気候です。シャルドネを用いた白ワインが有名です。酸味がしっかりしてミネラル豊富なキリッとした味わいが特徴です。

シャブリ地区の土壌は、キンメリジャンと呼ばれるミネラルが豊富に含まれる石灰岩が特徴です。この石灰岩は、海洋生物の遺骸が堆積してできたものです。このミネラルが魚介類ととても相性が良く、「牡蠣にはシャブリ」といった言葉もあるくらいです。

②コート・ド・ニュイ

ブルゴーニュ北部に位置し、ピノ・ノワール種を用いた赤ワインは世界最高峰の品質を誇ります。ちなみに、次のコート・ド・ボーヌ地区と合わせて「コート・ドール(黄金の丘)」と呼ばれ、世界中のワイン愛好家あこがれの地です。

コート・ド・ニュイ地区の村名は、ぜひ覚えておいてください!

コート・ド・ニュイの村名
  1. マルサネ村
  2. フィサン村
  3. ジュヴレ・シャンベルタン村
  4. モレ・サン・ドニ村
  5. シャンボール・ミュジニー村
  6. ヴージョ村
  7. ヴォーヌ・ロマネ村
  8. ニュイ・サンジョルジュ村

その中でもあえて絞るとしたら、グランクリュ畑が9つあるジュヴレ・シャンベルタン村、グランクリュ畑が6つあり、ロマネ・コンティもある ヴォーヌ・ロマネ村。この2つは必須です!

③コート・ド・ボーヌ

ブルゴーニュ地方中部に位置し、シャルドネ種を用いた白ワインは世界最高峰の品質を誇ります。コート・ド・ボーヌ地区には、18の村名AOCがあります。その中から厳選して3つの村をご紹介します。

コート・ド・ボーヌの村名(抜粋)
  1. ムルソー村
  2. ピュリニー・モンラッシェ村
  3. シャサーニュ・モンラッシェ村

ムルソー村は、グランクリュこそないものの、ブルゴーニュの中では濃厚な味わいで、樽熟成からくるバターのような風味が特徴です。

ピュリニー・モンラッシェとシャサーニュ・モンラッシェは隣り合う村で、味わいの方向性は似ています。繊細で果実味と酸味と樽とのバランスが良く、豊かな香りと複雑な味わいが特徴です。グランクリュワインのもつ高貴で複雑な香りは、部屋中を包み込むような圧倒的な存在感です。

④コート・シャロネーズ

ブルゴーニュ地方南部に位置し、コート・ド・ボーヌと似た土壌です。栽培されるブドウ品種はピノ・ノワールシャルドネに加え、南下するにつれて地中海性気候の影響を受け、土壌の違いや、地形の違いによってガメイアリゴテが栽培されています。

コート・ド・ニュイやコート・ド・ボーヌに比べ地味な印象ですが、近年大きく品質が向上しています。価格はそこまで高くないので、家飲みにはとてもありがたい産地です。特にアリゴテは、価格が安いわりに品質の良い白ワインがつくられています。

⑤マコネ(マコン)

ブルゴーニュ地方南部に位置し、主な栽培品種はシャルドネで、アリゴテも一部つくられています。

コート・シャロネーズ同様、近年大きく品質が向上しています。価格はそこまで高くないので、家飲みにはとてもありがたい産地です。

⑥ボジョレー

ブルゴーニュ地方南部に位置し、主な栽培品種はガメイです。言わずと知れたボジョレー・ヌーヴォーの産地ですね。

ボジョレー・ヌーヴォー(新酒)のイメージが強すぎて、ボジョレーは美味しくないと思われる方もいますが、ボジョレーはヌーヴォーだけではありません。特にクリュ・デ・ボージョレと呼ばれる10の村で、ガメイからつくられる赤ワインは、長期熟成にも耐えうる高品質な赤ワインです。

ブルゴーニュ おすすめワイン 4選

さいごに、宅飲みにおすすめなブルゴーニュワインをご紹介します。

白|ルイ ラトゥール リュリー ブラン

コート・シャロネーズの村名AOC、AOCリュリー。ブドウ品種はシャルドネです。標高230~300mのにある石灰岩の土壌で育った平均樹齢30年のシャルドネで造られています。ブルゴーニュ シャルドネらしい果実と酸味のバランス、樽熟成由来のナッツの余韻が高級感も味わえます。価格は3,000円を切るくらいで買えますが、今後値上がりしていくでしょう。

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白|ルモワスネ ペール エ フィス ブルゴーニュ ブラン ルノメ

AOCブルゴーニュ、ブドウ品種はシャルドネです。生産者のルモワスネ ペール エ フィスは、ブルゴーニュで名門のネゴシアンです。ブドウの出来が最良の年に、その年の素晴らしいキュヴェのみを選りすぐって造った特別なキュヴェ、「ブルゴーニュ・ブラン・ルノメ」。価格は約3,500円。これぞブルゴーニュ シャルドネといった味わい。

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赤|フェヴレ ブルゴーニュ ピノ ノワール

AOCブルゴーニュ、ブドウ品種はピノ・ノワールです。生産者のフェヴレはニュイ・サンジョルジュに本拠地を置き、グランクリュやプルミエクリュの畑を多数所有する有名ドメーヌです。フェヴレがつくるACブルゴーニュ。すぐに飲んでも美味しいと思えるような親しみやすいワインで、ブルゴーニュのピノ・ノワールを味わうにはもってこいのワイン。価格は3500円をきります。

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赤|ルイ ジャド ブルゴーニュ ピノ ノワール ソンジュ ド バッカス

AOCブルゴーニュ、ブドウ品種はピノ・ノワールです。生産者のルイ・ジャドはブルゴーニュ最大のドメーヌでありネゴシアンです。「ソンジュ ド バッカス」は、ルイ・ジャド社創立150周年を記念して発売された「バッカスの夢」という名の「150thアニバーサリー」の後継ワイン。なんと、村名畑や一級畑のブドウが約50%含まれています。ACブルゴーニュですが、ワンランク上の味わいです。価格は、約3,000円です。

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まとめ

世界で最も有名なブドウ産地ブルゴーニュ。今回は、ブルゴーニュワインの特徴として、以下の4点ご紹介しました。

ブルゴーニュワインの特徴
  1. ブルゴーニュの土地・気候
  2. 単一品種でつくられる
  3. テロワールを最大限生かしたワインづくり
  4. 畑に等級がある

そして、ブルゴーニュワインの主な生産地をご紹介しました。6つの地区、特にコート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌの2地区はコート・ドール(黄金の丘)と呼ばれる銘醸地でした。

さいごに、宅飲みにおすすめなブルゴーニュワインを白2本、赤2本紹介いたしました。いずれもブルゴーニュらしい味わいのワインです。よかったら飲んでみてください!

最後までご覧くださりありがとうございました。

楽しいワインライフを!