ワインのギモン

ワイングラスって大事?ワイン初心者のギモンを解決!

「飲んでしまえば同じなんだから、グラスなんて自己満足では?」

わかります。自分も昔そう思っていました。ところが、結論から言うと、グラスによってワインの味わいが全然変わります

ワイン用ではない普通のコップとワイン用グラスで飲み比べると、とても同じワインとは思えないでしょう。同じお米でも高級炊飯ジャーで炊いたお米は、「これ同じお米!?」と思えるほど印象が変わるのと似ています。

ワインは、果実の風味やタンニン、酸味、アルコールなど様々な要素から成り立っています。適切なワイングラスを使用することで、これらの要素が最大限に引き出されます

ワインの味わいを最大限に引き出すためには、ワイングラスの選択も重要な要素です。本記事では、ワイングラスがワインの味わいに与える影響を初心者にもわかりやすく解説していきます。

とはいえ、いくつもワイングラスを用意するのはスペース的にも制限があるので、「まずはこれ1つだけあればかなり使えるワイングラス」を厳選して2つご紹介します。

では、さっそくいってみましょう!

なんでワイングラスで味わいが変わるのか

ワイングラスの形状がワインの味わいを左右するポイントは大きく3つあります。

①香りを逃さない

グラスの形状や口の広さが、ワインの香りを集中させる効果を持ちます。香りは味覚と密接に関連しており、ワインを飲む前に鼻から感じる香りが、味わいの期待を高めるのです。ワイングラスが香りの集中を促進することで、ワインの味わいの複雑さを最大限に引き出します。

②ワインの温度をコントロールする

ワインの味わいは、その温度によっても大きく左右されます。ワイングラスの形状や素材は、ワインの温度を保つ助けとなります。例えば、白ワイン用やスパークリングワイン用のグラスは細長い形状をしており、冷たさを保ちやすくなっています。一方、赤ワイン用のグラスは広がった形状をしており、ワインの温度を保ちつつ、酸味やタンニンの調和を促進します。適切な温度でワインを楽しむことで、その豊かな味わいを存分に味わうことができます。

③空気に触れる量をコントロールする

ワインは空気に触れることで香りが広がります。ワイングラスの形状や底の凹凸は、ワインに酸素を供給する量を調整する役割を果たします。例えば、ボウルと呼ばれるグラスの中心部は大きく広がっています。また、ワインを注ぐ際にグラスの底部でワインと空気が接触することで、酸素がワインに溶け込みます。これにより、ワインの香りや風味がより複雑になり、味わいが深まるのです。適切なワイングラスを使用することで、酸素供給を適度に調整し、ワインの成熟度や風味を最適な状態で楽しむことができます。

ワイングラス 各部位の名称

上部から、飲み口の部分が「リム」、ワインが入る部分の「ボウル」、ワイングラスを持つ部分の「ステム」、ワイングラスを支えれる部分の「プレート」です。

余談ですが、ワインを飲むときはステムを持つのがマナーです。石原裕次郎のモノマネのように、ボウルを下から持つことはワインの温度を変えてしまうため通常はしないです。

ワイングラスの多くはリムが小さく狭まっています。香りを逃さないようにするのに加え、リムが狭いことでグラスに口を付けただけではワインは口の中に入らなくなり、飲む時に顔を上に向ける必要があります。

顔を上に向けると、ワインは舌の上から喉の奥へ少しずつ直線的に流れるため、舌の両脇で感じると言われる酸味を強く感じずにすみます。そのため、バランスのとれたワインの味わいを楽しめます。

ワイングラス形状は大きく分けて3つ

ワイングラスには大きく分けて、赤ワイン用、白ワイン用、スパークリングワイン用があります。

①赤ワイン用グラス

赤ワイン用グラスは、広がったボウル状の形状をしています。この形状は、赤ワインの豊かな香りや複雑な味わいを引き立てる役割を果たします。広がったボウルは、ワインが酸素と接触し、香りや風味が開放されるのを助けます。また、タンニンやアルコールのバランスを調整し、なめらかな口当たりを提供します。

【もう一押し!】赤ワイン|ボルドー型とブルゴーニュ型

ボルドー形は、チューリップの花のような卵形の形状です。カベルネ・ソーヴィニヨンを主体としてつくられるボルドーのようなタンニンが豊富で重厚感のあるワインに適したグラスです。

ブルゴーニュ型のグラスは、ボウルがボルドー型よりも広がっており、風船のような丸い形状です。リムの口径はボウルの最大口径よりかなり狭まった形をしています。ワインを注ぐ時に香りをできるだけ立たせ、その香りをボウル内に閉じ込めるような形状です。ブルゴーニュ ピノ・ノワールの魅力である香りを存分に堪能できるように工夫されたグラスです。

②白ワイン用グラス

白ワイン用グラスは、細長い形状をしています。その理由は、白ワインの風味や酸味を最大限に引き出すためです。細長いグラスは、香りを集中させ、酸味を強調します。また、白ワインは一般的に冷やして飲むため、グラスの形状が冷たさを保ちやすくする効果もあります。

【もう一押し!】白ワイン|万能型とモンラッシェ型

万能型のグラスはチューリップの形状ですが、ボルドー型より小ぶりです。すっきりとしたタイプの白ワインに適したグラスです。

モンラッシェ形は、ブルゴーニュの特級畑「モンラッシェ」のような樽で熟成させた非常に香り高い白ワインを飲むのに適したグラスです。ブルゴーニュ型よりも口径が広めで、ボウルが風船のように膨らんでいる形状をしています。

③スパークリング用グラス

スパークリングワイン用グラスは、背の高いフルート型が一般的です。これは、冷たさが持続し、泡立ちや炭酸の持続性を高めるためです。フルート型のグラスは、泡の上昇を助け、香りを閉じ込めることなく、豪華な見た目を演出します。

近年では、高級シャンパンなど特に香り高いスパークリングワインは、より香りを楽しむために白ワイン用グラスで飲むことも多くなっています。

また、クープ形という飲み口が広く、平べったい形状のグラスもあります。今ではあまり使われることはありませんが、フルート型に比べて顎を大きく上げなくてもスパークリングワインを飲むことができます。そのため、首のシワを見せずにワインを飲めるという理由で、社交界のご婦人たちに多く支持されたという逸話があります。

高級ワイングラスは薄い

ワインの形状とは別に、高級ワイングラスは総じてガラスが「薄い」です。理由は大きく2つあります。

①風味の伝達

ワインの風味は、口の中の感覚器官によって感じ取られます。薄いグラスは、口の感覚器官にワインの微細なニュアンスや味わいをより直接的に伝えることができます。厚いグラスの場合、ワインとの接触が減少し、風味の一部が損なわれる可能性があります。

そんな些細なことで味が変わるのかなと感じるかもしれませんが、個人的には「グラスの薄さ」がワインの味わいに一番大きく影響していると感じます。

②熱伝導性

薄いグラスは熱伝導性が高く、ワインの温度をより効果的に保持します。ワインの温度が一定に保たれることで、風味が最適な状態で楽しめます

【迷ったらコレ!】おすすめのワイングラス 2選

ワインビギナーにとって、たくさんのワイングラスを揃えるのはスペース的にも至難の業です。あえて、「ワイングラス1つ選ぶとしたら」という観点でおすすめワイングラスを選んでみました。

オススメワイングラス① リーデル EXTREME リースリング

本格的な形状の白ワイン用 万能型です。比較的大きいサイズなので、赤ワインでも利用できます。EXTREMEシリーズは、従来のグラスより耐久性が高いため、ビギナーの方にも扱いやすいシリーズです。ワイングラス1つ選ぶとしたら、マチガイのない選択です。

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オススメワイングラス② リーデル オー カベルネ/メルロ

本格的ながら、画期的な「脚なしワイングラス」です。ワインの香りや味わいを引き出すボウルの機能性は残しつつ、ステム(脚)や台座をなくし、毎日の生活で気軽に使える形状です。ワイングラスを収納する場所に困らないのも大きなメリットです。

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さいごに

今回は、ワインを楽しむ上で大事なワイングラスについて、ワインの味わいに与える影響とワイングラスの種類、おすすめワイングラスをご紹介しました。

ワイングラスを買ってみようとしている人にはもちろん、「グラスごときで味わいが変わるんか」と思っている人にこそぜひ試してもらいたいです。

みなさんの参考になれば嬉しいです。では、たのしいワインライフを!