MENU
ワイン日記

2024年7月 ワイン会参加レポート「シャンパーニュ ブルゴーニュ古酒の会」

ワイン会に参加してきました。今回は熟成シャンパーニュとブルゴーニュを楽しむワイン会。

市場ではもはや買うことできないであろう熟成ワインの数々をいただける幸せ。自分へのご褒美と自己投資です。

お店は札幌市手稲区にある「ジャルダン ポタジェ テラニシ」さんです。素晴らしいのはワインの数だけグラスを用意してくれてます。グラスの中で変化するワインを楽しんでほしいとのオーナーシェフの心遣いです。

では、さっそくご紹介していきます。

テーマ 「シャンパーニュ ブルゴーニュ古酒の会」

シャンパン5種、白1種、赤6種の計12種の熟成ワインを楽しみます。中にはワイン会主催者であるオーナーが大切に保管されてきた超レアなアイテムもあり、胸が高鳴ります。

①ヴーヴ・クリコ ラ・グランダム 1990

最初からすごいのが出てきました。ヴーヴ・クリコの最上キュヴェ「ラ・グランダム」の1990年。34年熟成シャンパーニュです。ピノ・ノワール90%、シャルドネ10%のセパージュ。

熟成したシャンパーニュは何気に飲むと泡も少なく変わった味の白ワインだなと思われてしまうかもしれません。ところがじっくり味わうと、舌の上で微かな発泡を感じつつ熟成によって生まれる濃密な旨みがじんわり身体に染みていくようです。

香りはすりおろしたリンゴが少し時間が経って色がついたようなニュアンスが自分には一番しっくりきます。これは人によっては「酸化」を意識させあまり良くない表現と言われてしまうかもしれませんが、自分には一番しっくりくるので仕方がありません。

あとはブリオッシュ、ナッツ、ハチミツの香りです。舌の上で柔らかく繊細な泡、喉を通ったあとに鼻から抜ける熟成香、長い余韻。ゆっくりじっくり味わいたい素晴らしいシャンパンでした。

点数:4.5

 

②ドゥーツ ミレジム ブリュット 1974

ドゥーツはヴァレー・ド・マルヌ地区 アイ村拠点のNM(ネゴシアン・マニュピュラン) 。1993年まで家族経営を続けてきましたが、現在はルイ ロデレールの傘下です。今回いただけるのは、家族経営時代の貴重な1本。なんと50年の熟成シャンパーニュです。

香り味わいの方向性は先ほどのラ・グランダムと同じで、すりおろしリンゴ、ブリオッシュ、ナッツ、ハチミツです。酸味がまだしっかりしていて、まだ熟成できそうなポテンシャル。魚介の料理とのペリングもバッチリです。

おもしろかったのが、グラスに注がれてから1時間以上経過した頃、丁子やクミンのようなスパイスの香りがしてきました。これには驚きました。

点数:4.4

 

③アンドレ クルエ ザ・V6 エクスペリエンス NV

アンドレ クルエはピノ・ノワールの銘醸地 ヴァレー・ド・マルヌ地区 ブジィ村のNM(ネゴシアン・マニュピュラン) 。グランクリュのラ・キュヴェ(一番絞り)のみを贅沢に使用。ピノ・ノワール100%のブラン ド ノワール。

V6は「Vieilli surates depuis 6ans」の略で、瓶熟成6年の意味。3年前の購入ということなので、約9年の熟成ということになります。十分な熟成ですが、先ほどまでと比べると若く感じる笑

しっかり熟成香が出ています。やはりすりおろしリンゴなんですが、すりおろしたてのフレッシュさが感じられる香り。ブリオッシュやナッツも先ほどに比べて控えめ。酸味がまだまだハツラツとしています。グラスに入れてから1時間以上経過すると香りが少なくなってきたました。

点数:4.0

 

④ピノシュヴォシェ ブラン・ド・ノワール VV

ピノシュヴォシェはヴァレー・ド・マルヌ地区 ムーシー村の家族経営の生産者。樹齢70年以上のピノ・ムニエ100%から造られる年産600本の希少なシャンパン。

2015年収穫のブドウから造られているので、約9年の熟成。ピノ・ムニエ100%は良い生産者じゃないと美味しいシャンパンが造れないと言われています。

これはバランスが良く素晴らしいシャンパンでした。味わいは熟成というよりは普通にイメージするシャンパンに近い味わいですが、果実味と酸味、旨みとミネラル感が高次元でバランスしてます。しかも時間が経っても全然ヘタレない。

市場でも手に入るワインなので自分でもストックしておきたい1本。

点数:4.2

 

⑤ピノシュヴォシェ レヴーズ ロゼ NV

おなじくピノシュヴォシェのロゼ。シャルドネ50% ピノ・ムニエ30% ピノ・ノワー20%。瓶内二次発酵後48ヶ月熟成しデゴルジュマン。ドサージュ:8g/L。

チェリーやラズベリーなど赤系果実、フレッシュでチャーミングな印象。綺麗な酸とミネラルにロゼらしくコクもあり、ウニともケンカせず、万能な味わい。

点数:4.0

 

⑥プイィ フュイッセ VV 1990 ドメーヌ ド ラ ロッシュ (ルネ ゲラン)

今日唯一の白ワイン。マコン地区の中でもトップクラスのAOCであるプイイ・フュイッセ、シャルドネ100%。生産者はプイイ・フュイッセの有名生産者ルネ ゲラン。ラロッシュはシャブリのドメーヌですが、どういう関係かは不明。。1990年なので34年熟成。

これはすごい。高級白ワインが熟成した香りです。アプリコット、ハチミツ、コッペパン、ナッツ。香りの複雑さとボリュームは、いわゆる高級白ワイン産地のコート ド ボーヌのいいワインに引けを取らないです。アフターも長く、とにかく美味しい。

造り手がいいのか、プイイ・フュイッセの産地としてのよさか、それとも両方か。いずれにしてもプイイ・フュイッセのシャルドネはそこまで高級になってないので、宅飲みワインにはオススメの1本。

点数:4.5

 

⑦ボーヌ1er シャンピモン ジャブレ・ヴェルシェール 1972

コート ド ボーヌ地区 ボーヌ村の 1er 「シャンピモン」。生産者はローヌが源流のジャブレ・ヴェルシェール。ブルゴーニュの最高区画の畑を多数所有していたが、2001年跡取りにに恵まれず、メゾンと畑を「メゾン・ルイ・マックス」に売却しました。

ボーヌの1erは初めて。ブドウ品種はもちろんピノ・ノワール。1972年て52年の熟成。。すごすぎる。

52年でこの力強い香りには驚いた。きのこ、紅茶、皮革、醤油など熟成感ムンムン。時間が経ってもヘタれず、バルサミコのような香りも。味わいは出汁ウマ。旨みがものすごい。パワフルでエレガント。まだ熟成できそうな気すらする。スゴイ。今まで飲んできたピノ・ノワールでも5本の指に入る。コート ド ニュイのワインじゃなくてもこれだけ美味しいんだな〜

点数:4.7

 

⑧ヴォルネイ 1er クロ・デ・シェンヌ 1989 ミシェル・カイヨ

コート ド ボーヌ地区 ヴォルネイ村の 1er 「クロ・デ・シェンヌ」。生産者はミシェル・カイヨ。ムルソーに設立されたドメーヌで、有機農法で厳しく収量制限され、自然酵母でSO2は極力使用しないナチュラルなワイン造りを目指しています。

ブドウ品種はピノ・ノワール100%、1989年なので、35年熟成です。

色はこれまでより若々しくルビー色、赤系果実にフローラルな香りに加え紅茶や皮革など熟成香が混じり合い、良い感じの熟成を感じさせます。味わいも果実味と旨みのバランスがよく、余韻も長い。ちょうど飲み頃のいいワイン。

点数:4.6

 

⑨ジユヴレ・シャンベルタン 1979 ルイ・トラぺ

ジュヴレ・シャンベルタンの村名。生産者はルイ・トラペ。ジュヴレ・シャンベルタン最高のワインを生みだす優良生産者として知られ、現当主ジャン・ルイ・トラペ氏が父親からドメーヌ・トラペを継ぐ際、現在のルイ・トラペと、ドメーヌ・ロシニョール・トラペとに分割。先代の頃に評価が急落したものの、ビオディナミへ転向し名声は復活。

1979年なので先代のワインと思われる。45年熟成。

色は全体的にレンガがかって熟成した色合い。意外にもフローラルな香りが主体で、赤系の果実味に紅茶など熟成香。香り自体はそんなに強くない。こなれたタンニンが口中を優しく包み込みエレガントなワイン。

点数:4.2

 

⑩ジユヴレ・シャンベルタン 1983 ロシニョール・トラぺ

ジュヴレ・シャンベルタンの村名。生産者はロシニョール・トラぺ。先ほどのルイ・トラペは長男が引き継ぎ、ロシニョール家に嫁いだ娘は夫ジャック氏と共にドメーヌ・ロシニョール・トラペを始めました。

1983年、41年熟成です。

色は全体的にレンガがかって熟成した色合い。ルイ・トラペより力強い香り。紅茶やきのこの熟成香がより立っています。タンニンが綺麗に溶け込み、猛烈な旨み成分が口中を幸せにしてくれます。余韻も長くて、幸せを感じられるワイン。

点数:4.5

 

11 シャルム・シャンベルタン GC 1998 カミュ・ペール・エ・フィス

シャルム・シャンベルタン グラングリュ。生産者はカミュ・ペール・エ・フィス。昔ながらのクラシックなジュヴレ・シャンベルタンの造り手です。決して強い抽出はせずに、染み渡るような優しいワインを造ります。

1998年、26年の熟成。

第1印象は「閉じてる・・」でした。これまでのワインとは明らかに香りのボリュームが違います。時間が解決してくれることを祈りつつ30分ほど待ってみました。するとエレガントな香りが広がり始めました。それでも期待ほどのボリュームは出てきませんでした。ワインはほんと難しい。

点数:4.0

 

12 ジュヴレ・シャンベルタン 1er コンブ・オー・モワンヌ 1998 ルネ・ルクレール

ジュヴレ・シャンベルタン 1er 「コンブ・オー・モワンヌ」。コンブ・オー・モワンヌはジュブレの3大1級畑のうちのひとつです。生産者はドメーヌ ルネ・ルクレール。フィリップ・ルクレールの兄です。

新樽100%の弟フィリップ・ルクレールに比べ、兄のルネ・ルクレールは4分の1〜3分の1と新樽率控えめです。テロワールをそのまま感じ、素直な味わいのワインとなります。

1998年、26年熟成。

色はにごりのあるレンガ。香りは割と控えめ。出汁旨ピノ。美味しいんだけど、正直これまでのワインがすごすぎて「普通に美味い」としか感じられなくなった贅沢な状態。。うん、美味しんだけどサプライズはなかったかな

点数:4.2

 

料理

まとめ

とんでもないワイン会でした。特に印象深かったのは、⑦ボーヌ1er シャンピモン ジャブレ・ヴェルシェール 1972。52年経った今でも全然ヘタれず美味しく飲めるのはスゴイ。発見だったのは、ニュイの高級ピノじゃなくてもこれだけ長期間の熟成に耐えられるんだということ。

シャンパンはどれも素晴らしかったですが、ピノ・ムニエ100%がこんなにも美味しいんだと実感できたのがよかった。

⑥プイィ フュイッセ VV 1990もすごかった。いわゆるマコンでこれだけエレガントに熟成するんだということを実体験できたのはとても貴重でした。

ほかにも素晴らしいワインたちが多すぎてコメントできないですが、熟成したワインをゆっくり楽しむ時間はとても優雅で心癒される時間でした。

自分もいい歳になった時にしみじみとワインのビンテージに思いを馳せながら、友人や家族とゆっくり熟成ワインを楽しめるようになりたいと思った1日でした。