酒屋さんをはじめ、札幌の飲食店でも取り扱っているお店がとても増えているなという印象の上川大雪酒造の日本酒。北海道産米100%使用した北海道に根ざした日本酒造りをしています。
北海道に旅行に来た時、北海道グルメと合わせてもいいですし、お土産にもピッタリです。
上川大雪酒造にて2020年から始まった「日本初となる大学校内の酒蔵”碧雲蔵”」で造られている「十勝」シリーズの「特別純米」をご紹介します。
北海道の日本酒
北海道産の日本酒はつい5年くらい前までは、正直他県の日本酒と比べると味わいは良くはなかったと思います。個人的には、飲食店で美味しい日本酒を飲みたいと思ったら、北海道産の日本酒は選択肢に入らなかったくらいの存在感でした。
ところが近年、北海道産の日本酒の品質が大きく向上しているのを感じます。
理由は大きく2つあると思います。
一つは「米が美味しくなった」ことです。気温が低くこれまで米作りの最適地ではなかった北海道が、温暖化の影響もあり日本酒作りに欠かせない「米」そのものが美味しくなりました。
もう一つは「人」です。北海道に可能性を感じて、道外から日本酒造りのエキスパートたちが北海道にやってきています。今回ご紹介する上川大雪酒造もその一つです。2016年、三重県の酒蔵が大雪山系の麓である北海道上川町に移転してきました。
官民あげて、「北海道の日本酒を盛り上げよう」そんな機運が流れはじめてきたように感じます。
話はそれますが、ワインには「天地人」という言葉があります。ワインは、「天、地、人によって形成されている」という考え方です。
天は天候を意味し、その年の気候がブドウの生育に大きな影響を与えるため、ワインの品質を大きく左右することを意味します。
地は大地(畑)を意味し、畑の土壌が適したブドウ品種や味わいを決める大きな要素であることを意味します。
人は生産者を意味し、美味しいワインにはブドウを生育する人、醸造する人の情熱や技術が必要ということを意味しています。
米作りは水田で行われるため、土壌そのものよりも気候や生産者の技術が大事な要素な気がします。
そういう意味で、「天」は気候が米作りに適してきたことにより向上し、「人」は情熱と技術を持った生産者たちが集まってきたことで向上してきたと言えると思います。
北海道の日本酒がこれからますます美味しくなっていく、そんな成長の初期段階にいると感じてワクワクしています。
上川大雪酒造 十勝 特別純米
冒頭でご紹介した通り、「日本初となる大学校内の酒蔵”碧雲蔵”」で造られている「十勝」シリーズです。上川酒造には「十勝」シリーズの他に、上川町の酒蔵”緑丘蔵”でつくられる「上川大雪」シリーズがラインナップされています。
「十勝」シリーズ ※価格は2023年3月時点のものです。
十勝 純米 | 精米歩合70% 税込1,540円 |
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十勝 特別純米 | 精米歩合60% 税込1,980円 |
十勝 純米吟醸 | 精米歩合55% 税込2,310円 |
十勝 純米大吟醸 | 精米歩合45% 税込3,740円 |
「上川大雪」シリーズ ※価格は2023年3月時点のものです。
上川大雪 特別純米 | 精米歩合60% 税込1,980円 |
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上川大雪 純米吟醸 | 精米歩合50% 税込2,420円 |
上川大雪 純米大吟醸 | 精米歩合40% 税込3,850円 |
上川大雪 純米大吟醸35 | 精米歩合35% 税込5,280円 |
いずれも、北海道産の酒造好適米「彗星」「吟風」「きたしずく」の3種を使用しています。
”碧雲蔵”の仕込み水は、平成に入ってから7回清流日本一に輝いた札内川水系の中硬水です。
日本酒レビュー
米の甘味と華やかに香る吟醸香がバランスの良い日本酒です。日本酒本来の米の旨味がしっかりと味わえつつ、程よい吟醸香が華やかさをプラスしている感じです。
純米が好きだけど、辛すぎるよりほんのり甘味があった方が好きという人にはピッタリな日本酒だと思います。
安価な日本酒にありがちな雑味や口に残る甘味はないので、すっきり飲めて味わいがしっかりしているテイストに仕上がっています。
合わせる料理はやはり「新鮮な魚介」でしょう。お鮨屋さんのカウンターで飲んでも負けない存在感でありつつ、リーズナブルな価格は回転寿司をテイクアウトして自宅で楽しむ時にもお寿司を引き立てて、幸せな時間へとアップグレードしてくれると思います。
北海道の回転寿司は美味しいですが、店でゆっくり飲みながら食べるというのがなかなか難しいので、テイクアウトして美味しいお酒と合わせる楽しみ方はアリだと思います。
旅行でいろいろ外食したけど、最終日はホテルでゆっくりしたい、そんなニーズにもピッタリだと思います。
北海道にきた際に見かけた時は、ぜひチャレンジしてみてください!