はじめまして、日本ソムリエ協会 ワインエキスパート 、日本ソムリエ協会 ワイン検定講師の「いた」と申します。
いまでこそワインのブログを書くくらいワインが好きですが、もともとは大のワイン嫌い。そんな自分がワインが好きになっていく過程で、さまざまなギモンや初心者には近寄りがたい世界であることを痛感してきました。
いといろと経験してきたからこそ、初心者の人にもっとわかりやすく、もっと気軽にワイン楽しめるようにしたいとの思いからブログを始めました。
「ワイン嫌い」からの・・
先に書いた通り、もともと「ワインが大嫌い」でした。きっかけはある店との出会いでした。まだ30代前半で何をやっても楽しかった頃、出張先でふらっと入ったイタリアンが自分の運命を変える店でした。
当時は居酒屋でも一人で入るのに気後れしていたのに、ワイン嫌いの自分がイタリアンのお店に一人で入ったのは、無性に「パスタ」が食べたくなったかったら。出張で1週間近くほぼ居酒屋で晩ごはんを食べていたので、たまに洋食が食べたくなったのです。
カウンターでひとり、サラダや生ハム、カルボナーラなんかをつまみながらビールを飲んでいたところ、オーナーらしき人がワインを勧めてくれました。でもワインがあまり好きではないとやんわり伝えたのですが、「カルボナーラに合うよ。ちょうど最後の一杯だから」と赤ワインを一杯サービスしてくれました。
(この一杯が人生を変えてしまう一杯だとは知らずに・・)
この赤ワインが衝撃的でした。今まで飲んだことのあるワインとは全く別物で、味が濃いんだけどキツすぎず、旨味があり、複雑な香りがします。
「なんだこれは・・」
オーナー「カルボナーラを一口食べてから飲んでごらん」
言われるがままにワインを飲むと、口の中がお花畑、いや翼くんと岬くんのツインシュートくらいの威力です。たまげました、お互いが高め合ってると感じたのです。この感覚は、ボーナスが入ったら食べに行くお寿司屋さんで、新鮮な刺身ときゅっと冷えた日本酒を飲んだ時くらいの幸福感です。
オーナー「(ニンマリ・・)そのワインが美味しいと感じるなら、ブルーチーズ食べてみないかい?」
いた「(オーナー、さすがに見た目気持ち悪くて・・)ブルーチーズは食べたことないです。」
オーナー「オッケ」
何がオッケなのかわかりませんが、結局人生初のブルーチーズを食す羽目に・・
「うまいじゃないか・・」
オーナー「(ニンマリ・・)ブルーチーズを一口食べてから飲んでごらん」
いた「(またその展開か。美味しくないなら素直に言おう)わかりました。」
言われるがままにワインを飲むと、口の中が翼くんと岬くんのツインシュート、いや、悟空とベジータのフュージョンくらいの威力。たまげました、お互いが高めあいまくってる。
無防備のままワインスクールへ
その後、自分で色々ワインを買ってみてもハズレばかりで美味しくありません。あの日のワインはなんだったのだろうと思いながら、またハズレのワイン。。
転機が訪れたのは、会社で必要な資格を取得し会社から報奨金としてまとまったお金をいただいた時です。
「もらったお金だし、どうせだったら自分では絶対使わないものに使ってみよう」ということで、会社近くのワインスクールに通うことに決めました。
ワインは自分で選んでもハズレばかりだから一度体系的に学んだほうが近道かもしれないという思いと、ワインスクールという未知の世界に好奇心がふつふつと湧き上がってきたのを覚えています。
ただ、当時は自分の周囲にはワインを嗜む人がほとんどいなかったので、「何を血迷った?「意識高い系?」などとよく揶揄われました。悪気があったわけではなく、それだけワインに興味ない人にとってワインとは縁遠く、非常に距離のある飲み物だったんです。
ワインエキスパートを目指す
ワインスクールでは、仕事では絶対出会えないような人たちとの交流や新たな発見、学びなどとても充実したモノでした。それを飲み会のネタとして社内の仲間や友人に語っているうちに、周囲の人からワインの人として認知度が上がってきました。
そんな時、社内上層部のワイン好きな方から声がかかりました。
「ワインエキスパートを受験してみないか?」
ワインエキスパート?何それ?全く初めて聞く単語です。聞くと、ワインの資格として有名な「ソムリエ」は現在進行形で飲食関係の仕事に就いていることが受験要件のため、一般的な会社員はそもそも受験できない資格だが、ワインエキスパートはソムリエと同等の知識・技量を持つ資格として一般の人も受験できるとのこと。
正直まったく興味がありませんでしたが、せっかく声をかけていただいたので受験してみることにしました。いざ受験すると決めると、また好奇心がふつふつと湧き上がってきました。今度はどんな経験ができるだろう。。楽しみで仕方なかったです。
(その挑戦がとても困難であることも知らずに・・)
「これ、電話帳じゃないか。。」
今の若い人たちは知らないかも知れませんが、ネットがなかった頃は電話帳というものに企業や個人の電話番号が網羅されていました。個人情報保護の今の感覚からは想像できないですね。要は、分厚ーいテキストだったということです。
かくしてワインエキスパート受験対策講座に通うことになったのですが、猛烈に後悔しました。近所の公園に短パン・半袖・サンダルの格好で散歩する気分だったのですが、どうやら行くのは公園ではなく山、それも富士山クラスであることがじょじょにわかってきました。
「なんて挑戦をしてしまったんだろう」
と思っても後の祭り。最初から山の高さを知っていれば絶対に挑戦しませんでしたが、せっかく対策講座にも通うんだし、やるだけやってみようと腹を括って挑戦してみることにしました。
平日仕事帰ってきてからの勉強は何度も心折れそうになりましたが、土曜に講座で会える仲間や知る喜びは、苦労を上回っていました。
ワインスクールの時もそうでしたが、授業が終わった後にはたいてい仲間ですすきのに出かけて行きました。なじみの店に連れて行ってもらったり、評判の店に言ったり、いろいろな店でいろいろなお酒を飲むことで、ますますお酒のことが好きになりました。
日本ソムリエ協会 ワインエキスパート、ワイン検定講師
何も考えず行動した結果ではありますが、無事ワインエキスパートに合格。その後、ワイン検定 ブロンズクラス、スルバークラスの講師資格も取得しました。
今となってはワインも大好きになりました。もちろんワイン以外のお酒も大好きなのは変わらず、美味しいお酒を楽しく美味しくノムタメに、仕事を頑張る生活です。
経験上、ワインを独学で学ぶには余程の意志の強さがなければ続かないと思います。一方で、ワインスクールに通うのは時間とお金がかかるのでハードルが高い。初心者の人が、もっと気軽にワインを楽しめるようにたくさん情報発信していきますので、ぜひ楽しんでいってください。