主催ワイン会 11月は「ピノ・ノワール&クリュ・ド・ボジョレー」。世界各地のピノ・ノワールとボジョレーを楽しむコンセプト。
ボジョレーといっても ヌーボー(新酒)ではなく、クリュ・ド・ボジョレーと呼ばれるボジョレー地方の中でも特に優れた10の村で造られる熟成可能なボジョレーです。
ちなみに、ヌーボーはその年に収穫されたブドウを味わうために造られたワインで、熟成させてもおいしくなることはありません。
そんなワイン会の2日目の様子をレポートします。
みなさんのワイン選びの参考になれば嬉しいです。
Day2|ピノ・ノワール&クリュ・ド・ボジョレー
①【泡】早花咲月(さはなさづき) オレンジ 2023
産地:北海道余市町
品種:ナイアガラ主体、キャンベルアーリー、メルロー
生産者:ラン・セッカ
2020年に余市町で開業した新しいワイナリー。ワイン名にオレンジとあるが黒ブドウを使っており、いわゆるオレンジワインと異なります。白ブドウと黒ブドウを野生酵母にて発酵。瓶詰め前に糖分を加え、野生酵母にて瓶内二次発酵。ノンフィルター、亜硫酸塩無添加の自然ワイン。醸造の過程で偶然出たトロミが独特。
香りはナイアガラの果実の甘さを感じますが、味わいは辛口の微発泡。独特な製法で造られていあますがおいしく飲めればいい。頭じゃなく身体で感じるワイン。
点数:3.5(5点満点)
②【白】クネ ビーニャレアル ブランコ フェルメンタード エン バリカ2021
産地:スペイン リオハ
品種:ビウラ(マカベオ)100%
生産者:クネ
スペインの銘醸地リオハの中でもスペイン王室御用達のクネ。スペインは赤ワインイメージが強いですが、実は49%は白ワインです。王のブドウ畑の名を持つワインは2020年パーカーポイント90点を取得。ハンガリアンオークで発酵、熟成4~6ヵ月、瓶内熟成2~3ヵ月を経て出荷されます。
香りのボリュームは控えめ。柑橘、青リンゴの香り。フレッシュ果実味は爽やかで親しみやすく、それと同時にオークによるバニラやナッツの香り。酸味さわやかながら口あたりは少しオイリー。料理に合わせてもよし、単体で飲んでもよしの万能白ワイン。
点数:3.8(5点満点)
③【白】エラスリス マックス レゼルバ シャルドネ 2020
産地:チリ アコンカグア ヴァレー
品種:シャルドネ100%
生産者:エラスリス
世界で最も優れたカベルネを生み出すという「アコンカグア・ヴァレイ」で、偉大なワインを生み出してきたエラスリス。2004年国際テイスティングでフランス5大シャトーやアメリカのオーパスワンを破る快挙を達成。
2015年に「ブルゴーニュ品種でプレミアムワインを造る」という新たな挑戦をはじめ、2016年にリリースされて以来、著名なワイン評論家ジェームス・サックリング、ロバート・パーカー共に、同じ年のDRCの得点を上回る98-99点の高得点を獲得し、ブルゴーニュ品種においても再び世界を驚かせています。
そんなエラスリスのスタンダードライン 「マックス」シリーズ。
トロピカルフルーツの凝縮感にバニラやトーストのニュアンス。コクのあるリッチな味わいと酸味のバランスが良く、複雑性もある。3,000円以下で買えるシャルドネでおすすめできる1本!
点数:3.9(5点満点)
④【赤】イヴ ジラール マドゥー ヴァン ド サヴォワ ピノ ノワール 2017
産地:フランス サヴォワ
品種:ピノ・ノワール100%
生産者:イヴ ジラール マドゥー
美食の地サヴォワ地方のピノ・ノワールのほとんどはフランス国内のワイン愛好家に直行。残り5%が輸出されるという超レアなワイン。ビオロジックで丁寧に造られた平均樹齢25年のブドウは全て手摘みで100%除梗、野生酵母で発酵。味わいは滋味深くエレガント。身体に染み入るピノ・ノワール。
赤系果実、花の香りで香りのボリュームがある。飲む前に美味しいやつ。旨みエキスの凝縮感がいい。じんわり染み入る旨み成分がいいピノだな〜と実感させてくれる。サヴォワのピノいいかも!見つけたらまた買おう。ちなみに時間が経ったら香りが少なくなってきた。抜栓直後がベストだったかな。難しいな〜。
点数:4.0(5点満点)
⑤【赤】ロベルト ケーニッヒ ピノ ノワール 2020
産地:ドイツ ラインガウ
品種:ピノ・ノワール100%
生産者:ロベルト ケーニッヒ
温暖化の影響で近年高品質なピノ・ノワールが栽培されるようになったドイツ。ドイツの銘醸地ラインガウで16世紀からブドウ作りを続ける家族経営のワイナリー。一部除梗し18ヶ月フランス産のバリック樽でゆっくり熟成。冷涼な気候で造られるピュアでエレガントな味わいは本場ブルゴーニュに引けを取らない味わい。
とてもピュアな印象のピノ・ノワール。香りも赤いベリー系で上品。旨み成分というよりピュアで身体に優しい感じ。北海道 余市のピノ・ノワールに似た印象を受けた。ドイツも北海道も温暖化の影響で美味しいピノ・ノワールができてきた点でも似てるな〜。
点数:3.9(5点満点)
⑥【赤】ドミニク ローラン クリュ・ド・ボジョレー モルゴン 2021
産地:フランス ボジョレー
品種:ガメイ100%
生産者:ドミニク ローラン
ボジョレーといえば「ボジョレー ヌーヴォー(新酒) 」のイメージがありますが、ボジョレーの中でも特に優れた10の村は「クリュ・ド・ボジョレー」と呼ばれ別格として高く評価されています。古木、100%手摘み収穫、全房発酵。樽使いの魔術師 ドミニク ローランがつくる渾身のボジョレー。
しっかりとした骨格と凝縮感がすごい。ボジョレー ヌーヴォーのイメージと違いすぎる笑 煮詰めたイチゴのニュアンスがガメイだけど、樽がいい感じに効いていて果実味主体だけど力強くてシラーズのよう。熟成させて飲んでみたい。
点数:4.0(5点満点)
⑦【甘】ドメーヌ ベルテ ボンデ マクヴァン デュ ジュラ NV
産地:フランス ジュラ
品種:シャルドネ
生産者:ドメーヌ ベルテ ボンデ
マクヴァン デュ ジュラはフランス ジュラ地方で造られる「V.D.L」と呼ばれる酒精強化ワインの一種。発酵前または発酵初期段階のブドウ果汁にアルコール度数52度以上の熟成マールを加え、最低10ヶ月熟成させます。自然の甘さを閉じ込めた甘口に綺麗な酸と透明感のあるデザートワインです。
あんずやオレンジピール、マールの熟成香。極甘口の中にあんずやオレンジの果実感が奥にいて、喉を通ったあとの鼻から抜ける香りが爽やか。温度が上がるとマールの香りがより広がるが、自分は冷やして味わいを引き締めた方がバランスが良くて好み。VDLの自然な甘さが大人の味わい。こんなワインで1日を締めくくれたら最高。
点数:4.1(5点満点)
まとめ
ピノ・ノワールはブルゴーニュだけじゃないというのを表現してみたかったけど、そういう意味で期待通りだった。高い名の通ったワインを選べば間違いないが、リーズナブルで参加した人たちのワイン選びの参考になることが大事。
今日に関しては、④イヴ ジラール マドゥー ヴァン ド サヴォワ ピノノワール 2017 がとても良かった。
ボジョレーも期待通りみなさん驚いてくれて、主催者冥利に尽きます笑
2日間通してV.D.Lを試せたのもオモシロかった。ブドウ本来の持つ甘味とコニャックやマールの味わいが絶妙で、デザートワインの引き出しが広がった。
以上、みなさんのワイン選びの参考になればうれしいです。