「ワインを買おうにも何を選んだらいいのかわからない」
「ワインは種類が多くてよくわからない」
「せっかく飲んだワインを覚えられない」
「奮発したけどあまり好みではなかった」
ワインに対してこんなモヤモヤ持っていないでしょうか。昔の自分がまさにそうでした。
本当の意味でワインを選べるようになるまで、たくさんのお金と時間を使って遠回りをしてきました。それはそれで楽しかったですが、みなさんがそんな回り道をしなくてもいいように、みなさん自身が好きなワインをワイン選ぶことができるためのお手伝いをできればと思っています。
- ワイン選びで失敗しなくなる
- 好きなワインの見つけ方がわかる
- 気分や料理に合わせてワインを選べるようになる
失敗しないワイン選び
結論を先に言うと、失敗しないワイン選びは自分の好きなワインを知ることです。
「そんなこと言ったら元も子もないやないかい」「それができないから困ってるの」そんな総ツッコミの声が今にも聞こえてきそうです。だからこの記事で、自分の好きなワインを知る方法をお伝えしていきたいと思います。
経済力があってたくさん飲める人は別ですが、多くの人はたまに美味しいワインを飲みたいと思っていると思います。そのためには、3つのステップを踏む必要があります。
好きなワインを知るための3つのステップ
【ステップ1】4種類のブドウ品種を覚える
【ステップ2】4種類のワインを買ってみる
【ステップ3】2種類ずつ比較する
意外に簡単そうではありませんか?このステップをたどれば、きっと自分の好きなワインが見つかります。
それでは、具体的にどんな内容か見ていきましょう!
【ステップ1】4種類のブドウ品種を覚える
ワインには約1500種類のブドウ品種があると言われています。もちろんそれらを覚える必要はありません。最初は4種類(赤2種類、白2種類)を覚えれば十分です。その後じょじょに覚えていくことになりますが、せいぜい10種類(赤5種類、白5種類)程度覚えれば、十分に楽しめると思います。
赤ワイン① カベルネソーヴィニョン
聞いたことあるでしょうか。聞いたことはあるけどブドウ品種名だとは知らなかったという方も安心してください。最初のうちは、慣れない単語がたくさんあって何のことかわからなくて当然です。
特徴は、濃厚、コクがあり、パワフルな味わいです。よくワインのボリューム(口に含んだ時の印象)でフルボディといった表現をされます。香りはレーズンやカシスなどの黒系果実やコッペパン、インクなどの黒いイメージです。
色合いは濃い紫色です。肉料理に合わせてしっかりとした味わいの赤ワインが飲みたい時には最適です。
カベルネソーヴィニョンでも熟成したワインになると、まろやかな口当たりで複雑な香りをまとっていきます。若いカベルネ・ソーヴィニョンとはまた違ったイメージになっていきます。それがまた、ワインの楽しみの一つです。
有名な産地は、フランスボルドー地方、アメリカ カリフォルニアなどです。ボルドーではメルローやカベルネフランなどの多品種とブレンドされることが多く、アメリカをはじめとした新世界では単一品種でワインになることが多いです。
イメージは、「濃厚・フルボディ」ゴリマッチョです。
赤ワイン② ピノノワール
ピノノワールはカベルネソーヴィニョンと対極にあるといっていいと思います。
特徴は華やかな香りです。バラやすみれなどの花、ラズベリーやイチゴなど赤い果実などチャーミングな印象です。味わいは繊細、しなやかです。ミディアムボディといった表現をされることが多いです。
色合いは鮮やかなルビー色です。肉であれば鴨や鳥、赤みの牛肉などによく合います。ガツンとではなく、身体に寄り添ってくれるような優しいワインになります。
ピノノワールは熟成してくると、革や紅茶などの香りもまとい、とても妖艶で複雑な香りとなります。部屋中がワインの香りで満たされる感じです。味わいでは、出汁の特徴が出るのも熟成された良いピノノワールのワインです。原材料がブドウのみなのになんとも不思議です。
ピノノワールは病気に弱いため、育てられる場所が限られてきます。気候の影響も受けやすく、美味しいワインを作るにはとても難しい品種でもあります。有名な産地は、フランス ブルゴーニュ地方、アメリカ、ニュージーランドなどです。比較的冷涼な地域で造られます。日本では湿気が多くピノノワールの栽培には適さないと言われてきましたが、北海道余市町では高品質なピノノワールが造られるようになってきました。これからがとても楽しみですね。
イメージは、「繊細ながらも華やか」シンデレラです。
白ワイン① シャルドネ
白ワインの代表選手といえば、やはりシャルドネでしょう。世界各地で栽培され、育てられた環境で味わいが大きく変わるのがシャルドネの大きな特徴です。
寒い地域で造られたシャルドネのワインは、レモンやライムなどの爽やかな香りですっきりとした味わいとなります。温暖な地域で造られると、パインやマンゴーなどのトロピカルフルーツの香りとなり、バターやナッツのような濃厚な味わいのワインになります。
寒い地域の代表産地はフランス ブルゴーニュ地方でしょう。いわゆる高級白ワインの産地でもあります。それらは爽やかさに力強さも加わります。また、熟成することにより複雑な香りを纏います。爽やかさ、コク、ミネラル感、複雑な香りなど高次元でバランスする素晴らしいワインです。
温暖な地域の代表産地はアメリカ カリフォルニア地方でしょう。凝縮度の高い果実味と熟成の際のオーク樽由来のバターやバニラの風味が特徴です。とても濃厚な味わいでパンチ力があります。
育った環境でまったくの別人となるシャルドネのイメージは、女優です。
白ワイン② ソーヴィニョンブラン
香り高いワインのひとつで、グレープフルーツ・レモン・ライムなどの柑橘やハーブなどの清涼感のある香りが特徴のワインとなります。
香りは力強いですが爽やかな味わいのため、サラダや魚介系との相性が良いです。繊細な料理の味を邪魔しないのです。
代表的な産地は、フランス ボルドー地方・ロワール地方、ニュージーランドです。フランスボルドー地方ではセミヨンとブレンドされ熟成することもありますが、冷涼なロワール地方やニュージーランドではシャープな酸味とミネラル感が特徴のワインとなるため、あまり熟成させず早いうちに飲むタイプのワインが多いです。
草原の中に佇む少女、でもハイジというよりはクララのイメージです。
【ステップ2】4種類のワインを買ってみる
ステップ2は、ステップ1で覚えた4種類のワインを実際に買うことです。
ワインをどこで買ったらいいのか迷うことがありませんか?ここではおすすめのワイン購入方法をお伝えします。
①大型ショッピングモールで購入
特におすすめがジャスコの中によくあるKALDI(カルディ)です。ご存知の方も多いと思いますが、ワイン専門店ではありません。気軽に足を運べますし、ポップにワインの特徴を丁寧に表示してくれているのでわかりやすいです。
何といってもリーズナブルな値段のワインが多く取り揃えられています。自分もデイリーワインはKALDIで購入することが多いです。個人的な印象ですが、ハズレのワインが少ないです。優秀なバイヤーさんがいるのでしょう。リーズナブルだけど美味しいワインが多いと思います。
②ワインショップで購入
1番のメリットは店員さんに聞けることです。初心者には入りづらい雰囲気があったりもしますが、初心者であることを伝え、ブドウ品種と価格帯を伝えれば店員さんは喜んで選んでくれると思います。
ステップ1で学んだブドウ品種をきっちり伝えることができることできれば間違いないでしょう。
おすすめのワインショップはエノテカです。駅直結の商業ビルに入ってることが多いと思います。大手の安心感があります。リーズナブルなものから1本数万円のものまで幅広く取り揃えられていて、接客も親切です。
デメリットは、価格が少し割高なところです。場所代や人件費を考えれば当然ですね。とにかく、店員さんオススメなどに頼りたい時にはとてもありがたいと思います。
③ネットで購入
1番のおすすめです。ワインショップで買うより安いのが1番のメリットです。自分がよく利用するのは楽天とamazonです。
楽天は、ワインショップがそれぞれオンライン販売する形です。街中のワインショップではスペースの制約があり品揃えに限界がありますが、オンラインショップでは多くの品揃えが可能なので、豊富な種類の中から選べます。デメリットは、種類が多すぎて何を選んでよりかわからないところと、送料がかかる場合が多いことです。
amazonは、amazon自体が販売する形なので品揃えには限りがありますが、Prime会員だと送料無料なところが非常にありがたいです。特にセット品などお得なものがあると利用することが多いです。
ネットで購入する時の1番の難点は、何を選べばいいかわかりにくいところだと思います。ステップ1で学んだ品種を購入するという目的で探せば、迷い少なく購入することができると思います。
【ステップ3】2種類ずつ比較する
いよいよステップ3です。ワインは飲んで味わってナンボです。せっかく身銭を切って買ったワイン、しっかり堪能しましょう。
ここでのポイントは、比較です。
おすすめは、赤2種類、白2種類はそれぞれ同時に飲むということです。赤ワインでは、赤①カベルネソーヴィニョンと赤②ピノノワールを同時に開けて、2つのワイングラスで交互に飲んで香りや味わいの違いを体感することです。
白ワインも同様で、白①シャルドネと白②ソーヴィニョンブランを同時に開けて、2つのワイングラスで交互に飲んで香りや味わいの違いを体感します。
そして、どちらのワインが自分の好みか知ることがとても重要になります。ワインの好みは経験や年齢を重ねても変化していきますが、現時点で難しいことを考えずどちらが好きかを判断してみてください。
そして、好きな理由を言語化してください。何となく好きではなく具体的にすることがポイントです。その時のポイントは、香りと味わいに分けることです。
香り、どんな香りがするでしょう。一つではないかもしれません。複数あってもいいです。というか、良いワインほど複数の香りが絡み合ってるものです。その中のどの香りが好きなのか、好きじゃないのかを言語化してみましょう。
味わい、どんな味わいでしょう。力強いのか、優しい味わいなのか。酸味は強いのか、旨味はあるのか、飲んだ後の余韻は長いかなど。どんな味わいが自分の好みなのか言語化してみましょう。
ちなみに自分の場合、赤ワインだと「濃くてまろやか、レーズンやコッペパンのような香りがするワイン」が好みでした。
これは、フランス ボルドー地方で少し熟成したワインに多い特徴だということがわかってきました。ボルドー地方では、カベルネソーヴィニョンとメルローという品種をブレンドすることが多いのですが、自分はメルローの密度の濃いまろやかな口当たりが好きだということも後にわかっていきました。
余談ですが、自分の好みは変化することが多いです。様々な美味しいワインを飲むこと機会が増えることで変化することもありますが、年齢を重ねることでしっかりとした味わいのワインから、身体に染み渡るような優しく香り高いワインになることも多いと思います。
好きなワインを自分の軸にする
いかがでしょう。これならできそうな気がしないでしょうか?難しい本を買わなくていいし、ワインショップに通う必要もありません。もう一度、好きなワインを見つける3ステップを振り返りましょう。
好きなワインの見つけ方
【ステップ1】4種類のブドウ品種を覚える
【ステップ2】4種類のワインを買ってみる
【ステップ3】2種類ずつ比較する
自分の中に軸ができたら、新たに飲んだワインを自分の軸と比較するんです。
「紅茶のような香りがする。香りはこちらの方が好きかもしれない」
「紅茶のような香りはどこからくるのか。ブドウ品種か?産地か?熟成年数か?」
などなど、自分で仮説を立てて次買う時のポイントにしてもいいですし、飲む時に詳しい人がいれば聞くのも手ですね。軸があることで、具体的に香りや味わいを好みのワインと比較できることになります。
こうしたことを繰り返していくことで、飲んだワインの香りや味わいが記憶に残り、蓄積されていきます。これがブドウ品種や産地などの特徴を体で覚えた状態になります。
こうなれば、ワイン選びで失敗することはほとんどなくなるでしょう。産地やブドウ品種で味わいが想像できる状態ですから、料理への合わせ方やプレゼント選びなど様々なシチュエーションで役に立ってくると思います。
これからのワインライフに役立てればとても嬉しいです。