「白ワイン好きだけどいまいち種類がよくわからない」
「結局どうやってワインを選んだらいいの?」
「せっかくなら美味しいワインが飲みたい」
そんな悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?
できることなら自分好みのワインを自分で選んでみたいと思ってはいるものの、本を買って学んだり、スクールに通ったりするのはなかなかハードルが高いものです。
この記事では、白ワインの代表的なブドウ品種について、特徴や有名な産地や有名ワインも合わせてワイン初心者向けにわかりやすくご紹介します。
また、おすすめのワインが知りたいという人のために、自分自身が実際に飲んで美味しかったワインをご紹介していきます。
少しだけ自己紹介させてください。
日本ソムリエ協会のワインエキスパート兼ワイン検定講師をやっている「いた」と申します。宅飲みこそワインを一番コスパよく楽しむ方法です。ワイン初心者のみなさんにこそコスパよく気軽に宅飲みワインを楽しんでもらえるよう情報発信していますので、ぜひ楽しんでいってください。
では、さっそくいってみましょう。
①シャルドネ(CH)
白ワインの女王。白ワインのブドウ品種を語る上で絶対に外せないのがシャルドネです。環境適応性が高く、世界各地で栽培されています。
味わいの特徴は栽培地域により大きく異なります。冷涼な気候で育てば酸がたちキリッとした味わいになりますし、温暖な地域で育てば果実味あふれるパワフルな味わいになります。
また、醸造方法によっても味わいが大きく変わります。ステンレスタンクで発酵・熟成されるとフレッシュなワインになり、木樽で発酵・熟成されれば樽香と言われるトーストやバニラの風味を持つコクのあるワインになります。
そこが、シャルドネの素晴らしいところでありつつも、初心者からすると少しわかりづらいところでもあります。
代表的な産地として、フランス ブルゴーニュとアメリカ カリフォルニアをご紹介いたします。
フランス ブルゴーニュ
シャルドネはブルゴーニュ産のブドウ品種です。ブルゴーニュのシャルドネには大きくスタイルの異なる2つの産地があります。コートドールとシャブリです。
コートドールは、「黄金の丘」と称される高級ワインがひしめく世界を代表する産地です。味わいは、果実味、ミネラルのバランスがよく繊細で複雑、優雅な香りと木樽によるコクもあります。白ワインの頂点に君臨していると言っても過言ではないでしょう。
▼コートドールの女王たち
モンラッシェ
コルトン
ムルソー
シャブリでは、冷涼な気候から酸味がハツラツとしたすっきりとしたワインになります。また、牡蠣殻を含むキンメリジャンという土壌がミネラル感をもたらします。酸味とミネラル感により魚介との相性が良く、「牡蠣にはシャブリ」と言われる所以です。
アメリカ カリフォルニア
温暖な気候によってブドウが完熟することにより、パイナップルやマンゴーなどの南国フルーツ果実味たっぷりのワインとなります。また、アメリカンオークによる熟成でバニラやトーストなどの風味も加わります。
パワフルで樽香リッチ、カリフォルニア シャルドネの特徴です。
1976年アメリカ独立200年の記念すべき年に開催された、当時絶対的存在のフランスワインとワイン新興国アメリカのブラインド対決「パリスの審判」により、赤・白ともに1位をアメリカ カリフォルニア ワインが獲得したことにより、カリフォルニアワインは世界的に有名なワイン銘醸地となりました。
その後も、伝統よりも最新の技術を取り入れる柔軟性と合理性、かつ莫大な資産がつぎ込まれ、高品質なワインが次々と生み出されています。
個人的におすすめの1本!
おすすめの一本は、フランス ブルゴーニュ コートドールの「アンリ ボワイヨ ブルゴーニュ シャルドネ」です。
若干冷やしてグラスに注ぎ、室温で温度上昇とともに香りが優雅に広がります。飲み疲れないミネラル感のある優雅な味わいは、サラダやバターを使ったアスパラや魚料理などの味わいを引き立てます。
アンリ ボワイヨのシャルドネは、「これぞブルゴーニュ シャルドネ!」といったキレイな酸味と果実味が調和した優雅なワインです。
シャルドネ まとめ
▼まとめ
フレッシュ・ミネラル:フランス ブルゴーニュ シャブリ
繊細・複雑・優雅 :フランス ブルゴーニュ コートドール
パワフル・樽香リッチ:アメリカ カリフォルニア
②ソーヴィニョン・ブラン(SB)
またまたフランス原産のブドウ品種で、ソーヴィニョン・ブランです。
個人的に大好きなブドウ品種で、グレープフルーツやレモンなどの柑橘系、ハーブ、草など、すっきり爽やかな香りが特徴です。
多くは熟成させず、フレッシュなワインを楽しむスタイルです。
代表的な産地は、フランス ロワール、ニュージーランド、フランス ボルドーです。
ロワールはフランス北西部にあり、古城や川など美しい風景が広がります。ハツラツとした酸味とすっきりとした果実味の爽やかなワインがつくられます。なかでも、サンセールのソーヴィニョン・ブランは酸味とミネラルのバランスが絶妙で、世界的に有名です。
ニュージーランドのソーヴィニョン・ブランにおいては本家のフランスよりも有名かもしれません。特徴は、芝生の香りかと思うくらい青々しい香りです。ハツラツとした酸味とハーブや青草のような香りはアロマティックで、飲むと身体が元気になります。
ボルドーは、赤ワイン同様にブレンドするスタイルで、多くは、セミヨンとブレンドされます。味わいは、酸味が穏やかで複雑な香り、熟成しても楽しめるスタイルです。また、ソーテルの貴腐ワインにも使用されます。ソーテルヌの超有名ワインといえば、シャトー・ディケムです。
シャトー・ディケムは、良い年のブドウであれば100年以上熟成に耐え、美味しさが続くと言われています。「ディケムを10年以内に飲むのはもったいない」と言われます。ソーヴィニョン・ブランによる高い酸度のおかげでだと思います。
個人的におすすめの1本!
ニュージーランドの「クラウディ・ベイ ソーヴィニョン・ブラン」です。
ニュージーランド 南島の北東にあるマーティンボローでつくられるワインは、「これぞソーヴィニョン・ブラン!」といった味わいです。
レモンやグレープフルーツを思わせるハツラツとした酸味、ハーブの香りがアロマティックに香ります。
このワインなら、どれだけ酔っててもブラインドでソーヴィニョン・ブランであることがわかると思います。(たぶん)
ソーヴィニョン・ブラン まとめ
▼まとめ
スッキリ・爽やか:フランス ロワール、ニュージーランド
酸味穏やか・複雑:フランス ボルドー
③リースリング(RL)
ドイツ原産のリースリング。そのエレガントな味わいはブルゴーニュ シャルドネに匹敵すると言われるほどです。
リースリングの特徴は、しっかりとした酸とコクが同居する点です。酸がしっかりしつつも、口当たりは厚みがありコクがあります。香りは時にペトロール香と言われますが、実にエレガントです。
瓶の形がフルート型と呼ばれる細長いのも一目でリースリングとわかる特徴です。
代表的な産地は、ドイツとフランス アルザスです。
ドイツの代表的なブドウ品種のリースリング、スタイルは甘口と辛口に分かれます。一昔前は、「リースリングといえば甘口」といった印象があったほどで、そのせいかそれほどリースリングが好きという人が少なかったように思います。ところが最近は、ドイツでも辛口エレガントなリースリングが主流になりつつあります。しっかりとした酸味、ミネラル、花のような香り、エレガントです。
ドイツと並んで有名なのがフランス アルザスです。フランス東部に位置し、ドイツとの国境にあります。辛口エレガントなスタイルで、しっかりとした酸、ミネラル、ペトロール香がバランスよいです。特にグランクリュと呼ばれる格付けのワインは、濃厚でエレガント、素晴らしいワインとなります。
個人的におすすめの1本!
フランス アルザスの「アルザス リースリング タルベルグ ローランシュミット」です。
アルザス 特級畑(グランクリュ)であるタルベルグの樹齢30年以上のリースリングからつくられるワインは、エレガントの一言です。ブルゴーニュ シャルドネよりリーズナブルですが、満足感は匹敵するものもあります。エレガントなリースリングを堪能できる1本です。
リースリング まとめ
▼まとめ
・エレガント。ブルゴーニュ シャルドネに匹敵。
・ドイツを代表するブドウ品種
・フランス アルザスのグランクリュ(特級畑)は要チェック!
まとめ
今回は、白ワインの代表的な品種を3つご紹介させていただきました。
①シャルドネ
②ソーヴィニョン・ブラン
③リースリング
どの品種が自分好みなのかを見つけるのもワインの楽しみの一つです。
ぜひ参考していただいて、楽しみながら美味しいワインライフを送っていただければ嬉しいです。