自分主催のワイン会をひさびさに開催できました!
前回はコロナ以前なので、4年ぶりくらいの開催です。みんながいつの場所に集まれることがどれくらいありがたいことか身に沁みた4年間でした。と感傷に浸ってばかりではいかんです。今回のワイン会のレポートをしたいと思います。
知り合いのバーを貸し切って、8人開催です。8人開催はワインボトル1本をシェアするのにちょうど良い人数なんです。今回は、ワイン初心者の方が多いということで、マニアックになり過ぎずワインを愉しんでもらうことを目的としてワインをセレクトさせていただきました。
結果として、参加されたみなさんおのおの好きなワインが見つかったり、発見があったようで、主宰した立場としてとても幸せな時間となりました。ワイン選びもあれこれ悩みながら考えるのも実に楽しい時間なんです。心からか楽しめる時間であるということがあらためて実感しました。
当日はサービスしながらだったため写真はほとんど撮れませんでした(^_^;)
料理もとても美味しかったのですが、ワインの写真は事前に撮ったものです。
では、さっそくワインをご紹介していきます。
2023年冬 ひさびさの主催ワイン会
①【泡】ニコラフィアット セレクション ブリュット|フランス シャンパーニュ
最初はシャンパンです。生産者は「ニコラ フィアット」。フランス国内販売数量No. 1、世界3位のシャンパーニュ・メゾンです。シャンパーニュ地方エペルネにある協同組合「Centre Vinicole de la Champagne」と手を組んで、5000もの畑から集められた選りすぐりのブドウと近代的設備、そして伝統的な技術による醸造で独自のブランドを確立しています。
シャンパンとしては”控えめな価格と品質の高さ” でお気に入りのメゾンです。
ブドウ品種は、ピノ・ノワール 40%、ピノ・ムニエ 40% シャルドネ 20%のセパージュです。セラーで2〜3年熟成されたのち出荷されます。
参考価格 5,800円(2023年現在)
ワインレビュー
色合いは、イエローゴールド。オレンジピール、ハチミツと熟成したニュアンスにシャンパンらしい焼きたてのパンのブリオッシュ香がたまりません。泡も落ちついており、むしろ熟成した良い白ワインというよな味わい。シャンパンの泡が落ち着いたのも実に美味しい。
点数 4.0
②【白】 カレラ シャルドネ セントラルコースト 2019|カリフォルニア
白は2本で、同じブドウ品種 「シャルドネ」をカリフォルニアとブルゴーニュでそれぞれ用意し、味わいの違いを感じてみようという趣旨で選びました。
生産者のカレラは「カリフォルニアのロマネ・コンティ」と称され不動の人気を誇る生産者です。カリフォルニアのシャルドネは果実味たっぷりパワフルな味わいのイメージですが、カレラのワインは上質なブルゴーニュを彷彿とさせる味わいです。
カレラ シャルドネ セントラルコーストは、カレラのワインナップでスタンダードなワインです。シャルドネ100%、複数の地区のブドウをブレンドして造られます。
参考価格 5,000円(2023年現在)
ワインレビュー
色合いは、イエローゴールド。白桃、パッションフルーツ、トーストの香り。味わいはとてもキレイ。バランスよく酸がキレイな印象。複雑さはさほど感じず。
点数 3.8
③【白】 ティボ レジェ べレール レ・シャルム 2012|フランス ブルゴーニュ
参加者の多くが美味しいと言ってたワインがこのワインです。熟成されたブルゴーニュ シャルドネを初めて飲んだ方も多く、感動されていて自分も嬉しくなりました。
ティボ レジェ べレールはあまりメジャーな生産者ではありませんが、ニュイ・サンジョルジュを拠点とした有望な若手生産者です、5〜6年前に飲んで感動し、即追加購入して自宅セラーで開ける機会を待っていたワインです。
コート シャロネーズ地区 モンタニィ村とマコネ地区 リュニー村のシャルドネをブレンド。モンタニィ村のブドウからはエネルギーと魅惑的なスパイシーな風味、リュニー村のブドウからはフレッシュさとミネラルの骨格が特徴と言われています。
AOCブルゴーニュ、シャルドネ100%です。AOCブルゴーニュですが11年熟成した味わいはどうなっているか?実は一番心配してました。10年以上の熟成に耐えるだけのポテンシャルがあるのかドキドキでしたが、いやー、よかった(^ ^)
参考価格 3,300円(2023年現在)
ワインレビュー
色合いは、イエローゴールド。グレープフルーツ、洋梨、白桃。柑橘系とパッションフルーツが同居します。味わいは口あたりがとてもなめらかで丸みを感じます。ミネラルや酸も感じるが尖っていない。熟成されとても穏やかになっている印象。アフターはそれほど長くない。
点数 4.0
カリフォルニアとブルゴーニュの比較という点で、ブルゴーニュの方が熟成が長く単純比較はできませんが、複雑性やバランスなどトータルでブルゴーニュが1ランク上かなという印象でした。
④【赤】 ルイジャド ボジョレー ヴィラージュ 2015|フランス ボジョレー
赤の1本目は季節ということもあり「ボジョレー」です。いわゆるヌーヴォー(新酒)ではなく、ボジョレー ヴィラージュと呼ばれる1ランク上のボジョレーです。ブドウ品種はガメイ。ヴィンテージは2015年で、8年熟成したボジョレーを飲む機会はあまりないと思うのでチョイスしました。
参考価格 2,400円(2023年現在)
ワインレビュー
色合いは、濃いルビー。香りはガメイ特有のキャンディ、バナナ。味わいは柔らかな口当たりと丸みがあり、肉厚でジューシーです。ヌーヴォーのあっさりした感じとは全く異なる味わいです。エレガントではないですが、これはこれで美味しい。
点数 3.5
⑤【赤】 カレラ ピノ・ノワール セントラルコースト 2020|カリフォルニア
カリフォルニアのピノ・ノワールです。白に続き、赤もカリフォルニアとブルゴーニュを比較してみようというものです。生産者は白と同じく「カレラ」です。繰り返しになりますが、カレラは「カリフォルニアのロマネ・コンティ」と称され上質なブルゴーニュを彷彿とさせる味わいが特徴です。
新樽率10%のフレンチオークで10ヵ月間熟成。ゴリゴリの果実味パワフルなカリフォルニアワインではなく、ブルゴーニュのようなエレガントなワイン。本場ブルゴーニュと比較してみるとオモシロイ。
参考価格 6,300円(2023年現在)
ワインレビュー
色合いは、少し濃いルビー。香りは、ラズベリー、ストロベリーなど赤系果実にスミレのフローラル香。味わいは繊細でエレガント。果実が主張し過ぎず、綺麗な酸とバランスよく、綺麗な味わいのピノ・ノワール。
点数 3.8
⑥【赤】 セラファン ペール エ フィス ジュヴレ・シャンベルタン ヴィエイユ・ヴィーニュ 2012|フランス ブルゴーニュ
ブルゴーニュのジュヴレ・シャンベルタン村の村名AOCです。ヴィエイユ・ヴィーニュとは樹齢の古いブドウ木のブドウから造られるワインで、こちらのワインは樹齢60年以上の古樹から造られます。
生産者はセラファン ペール エ フィス。ジュヴレ・シャンベルタンを代表する生産者のひとつです。ブドウ栽培は、「健康でクオリティの高いブドウを育てること」を大事にし、自然環境を尊重した栽培方法を行っています。収穫は全て手摘みで、除梗は約70%実施。自然酵母により時間かけてゆっくり発酵させます。ヴィエイユ・ヴィーニュは新樽100%で熟成させます。澱引きせず瓶詰め直前まで旨みを蓄えます。
つまり、古木から採れる力強く凝縮した果実味のブドウを、手間がかかる自然な造りで醸造し、新樽100%で熟成させているため、”熟成してこそ本領を発揮するワイン”として造られたものです。
11年熟成し飲み頃を迎えた本気のブルゴーニュ ピノ・ノワール。カリフォルニアとの比較が楽しい1本でした。
参考価格 22,000円(2023年現在)
ワインレビュー
ルビーで全体的にレンガの色合い。香りは複雑性と香りのパワーが圧倒的。色っぽくてエレガント。ラズベリー、カシス、紅茶、枯葉、出汁など複雑に絡み合います。口に含むと、まだまだ凝縮感のある果実感、溶け込んだ柔らかなタンニン、綺麗な酸、出汁のような旨味が口中を満たします。喉を通ったあともずっと続くエレガントな味わいは、これぞピノ・ノワールという幸せを感じる1本でした。
点数 4.8
⑦【白甘】 シャトー クーテ 2018|フランス ソーテルヌ
極甘口の白ワイン ”ソーテルヌ”。ソーテルヌはボルドーの中にあります。世界3大貴腐ワインと呼ばれています。独特な芳香を纏い、”液体の宝石”と称される甘美な味わいは大人の愉しみです。
ちなみに、今回のシャトー・クーテのAOCは”バルサック”です。ソーテルヌ村の隣のバルサック村で造られたワインで、バルサックで造られた貴腐ワインはソーテルヌとバルサックどちらも名乗ることもできます。
世界的には ”ソーテルヌ” の方が認知されているので、ここではソーテルヌと呼ばせてもらってます。
「貴腐ワイン」は特別な気象条件が揃わないとできないワインです。貴腐菌がブドウの果皮に付着することでブドウの水分が蒸発し、ブドウのエキスが凝縮した果実となります。エキスや糖分が凝縮した果実から造られるワインは、極甘口のワインになります。
極甘口のワインは、デザートによく合います。甘いものと甘いもので合わなそうですが、ソーテルヌは甘いだけじゃなくしっかりした酸も含まれているので、デザートと食べることで綺麗な酸が前面に出てきて、デザートの甘味に寄り添ってくれます。
普通のワインとデザートを合わせるとワインが酸っぱく感じられますが、ソーテルヌは抜群の相性となります。他にも食後のチーズ、特にブルーチーズとの相性も抜群です。チーズの塩味とワインの甘味が意外と合うんです。
ブドウ品種は、セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、ミュスカデルのブレンド。新樽比率100%のフレンチオーク樽で18ヶ月熟成。
参考価格 6,000円(2023年現在)
ワインレビュー
ゴールドに光り輝きます。香りは白桃、オレンジ、パイナップルなどの果実に、白い花。味わいはハチミツのような濃厚な甘さにしっかりとした酸とミネラルが味わいを引き締めます。極甘なのに複雑で奥行きがあり、何よりエレガントです。
点数 4.5
実は先日別のワイン会でシャトー クーテの”1978年”ヴィンテージを飲む機会がありました。今回飲んだワインの45年ものです。
これがビックリ、全然味も香りもへたれていません。45年の年月を経ても全然イキイキしていて、まだまだ熟成できるポテンシャルでした。
2018も十分エレガントなのですが、1978の方がより口当たりが優しく身体にスッと入ってくる感じです。とってもおすすめ。
個人的に感動したワインベスト3!
最後に、個人的に感動したワインベスト3を発表です。
1位:セラファン ペール エ フィス ジュヴレ・シャンベルタン V.V.2012
2位:シャトー クーテ 2018
3位:ニコラフィアット セレクション ブリュット
1位はダントツでセラファン。熟成したピノ・ノワールのおいしさは形容詞がないくらい美味しく美味しい。
2位のソーテルヌのエレガントさ、そして長期熟成するポテンシャルの高さに改めて脱帽です。
3位は迷いましたが、ニコラフィアット。美味しいシャンパンはすぐに1万円を超えますが、5,000円代でこの味わいはシャンパンとしてオススメしたい1本なので選びました。
ワイン会はいろんなワインを同時に飲み比べられること、新たな発見があること、おいしさを共有できることがなんと言っても楽しいです。
これからも実際に飲んで美味しかったワインを皆さんに紹介していきます!