ワインのギモン

【初心者必見!】フランス ローヌ地方のワインの特徴とブドウ品種、主要な産地についてわかりやすく解説

フランスは、世界的に有名なワイン生産国であり、フランス中央から南部にかけて位置するローヌ地方は温暖な気候というブドウ生育に恵まれた環境で、優れたワインの産地として知られています。

ローヌ地方は、その多様性と品質の高さで評価され、世界中のワイン愛好家からの支持を受けています。が、ローヌ ワインについて個人的に強く思うのが、高品質なのに価格が安いということです。

国際的に評価されてはいるものの、ボルドーやブルゴーニュと比較するとブランド価値も含めてまだ控えめと言うことです。

と言うことは、おいしいワインを安く飲めるチャンスが多いと言うことです。これは価格を気にせず飲める富裕層を除いてチャンスですね。

この記事では、ローヌ地方のワインについて、特徴、主要なブドウ品種、産地に焦点をあてて、ローヌ ワイン初心者にもわかりやすく解説していきます。

この記事を読むことで

▼ローヌ ワインの特徴がわかる

▼ローヌ ワインの主要な産地がわかる

▼ローヌ ワインを自分なりに選ぶことができる

▼自分好みのワインが見つかるチャンス

それではさっそくいってみましょう!

ローヌ ワインの特徴

ローヌ地方は広大な地域をカバーしており、さまざまな地理的条件や土壌が存在します。そのため、ワインのスタイルや味わいにも多様性が見られます。北部と南部では異なる気候とブドウ品種が使用され、それぞれ独自の特徴を持つワインが生み出されます。

①豊かな果実味

ローヌ地方ワインは、一般的に果実味が豊かです。温暖な気候でブドウがしっかり完熟するためです。赤ワインでは、ブラックベリーやチェリーのような濃厚な果実の風味が感じられます。白ワインでは、柑橘類や熟した果実の香りがあります。これにより、ローヌ地方ワインは愉快で口当たりが良く、フルーティーな特徴を持っています。

②スパイスとハーブのアロマ

特にローヌ北部のワインには、スパイスやハーブのアロマが豊かに感じられます。シラーを主体とした赤ワインには、白胡椒やミックススパイス、ハーブのニュアンスが見られます。これは、地域の土壌とブドウ品種の組み合わせによるもので、ワインに複雑さと奥行きを与えています。

③高アルコール度数

ローヌ地方は日照時間が長く、ブドウの糖度が高くなる傾向があります。その結果、ローヌ地方ワインは一般的に高いアルコール度数を持っています。だいたい14〜15度くらいです。この高いアルコール度数は、ワインにコクや構造を与える一因となっています。

④長期熟成能力

特に北部の赤ワインは、長期間の熟成によって複雑な風味を発展させることができます。シラーは、熟成によって香りや味わいが変化し、さらに深みを増します。これにより、ローヌ地方ワインは長期間保存して楽しむことができます。

⑤豊かなタンニンと酸味

ローヌ地方のワイは豊かなタンニンと酸味を持っています。赤ワインでは、しっかりとしたタンニンが感じられる一方で、適度な酸味がバランスを保ちます。これにより、ワインは豊かな味わいを持ちつつも、しっかりとした構造を持っています。白ワインでは、爽やかな酸味がありながらも、適度なボディとクリーミーさが調和しています。

⑥コストパフォーマンスの高さ

ローヌ地方ワインは、一般的に高品質なワインを手頃な価格で提供しています。他の一流ワイン産地と比較しても、ローヌ地方ワインは比較的手ごろな価格で入手できます。そのため、コストパフォーマンスの高さが魅力となり、多くのワイン愛好家に支持されています。

⑦食事との相性の良さ

ローヌ地方ワインは、豊かな風味とバランスの取れた特徴から、多くの料理との相性が良いとされています。赤ワインは、肉料理やハーブを使用した料理との組み合わせがおすすめです。白ワインは、魚介類やクリーミーなソースを添えた料理によく合います。そのバラエティ豊かな特性から、ローヌ地方ワインは食事の楽しみをさらに引き立てることでしょう。

以上が、ローヌ地方ワインの特徴です。多様性、豊かな果実味、スパイスとハーブのアロマ、高アルコール度数、熟成能力、バランスの取れた酸味とタンニン、コストパフォーマンスの高さ、食事との相性の良さなどが、ローヌ地方ワインを特徴づけています。これらの要素が組み合わさり、魅力的なワイン体験を提供してくれるのです。

ローヌワインの主要ブドウ品種

ローヌ地方では、さまざまなブドウ品種が栽培されていますが、特に注目されるのは次の品種です。

シラー

ローヌ地方を代表する品種で、胡椒のようなスパイス、ブラックベリーの果実味、そしてしっかりとしたタンニンをもたらします。

グルナッシュ

南部のローヌ地方で広く栽培される品種で、フレッシュな赤い果実の風味と豊かな口当たりが特徴です。また、アルコール度数が高く、ワインにコクと深みを与えます。単一ワインもつくられますが、多品種とブレンドされることも多い品種です。

ムールヴェドル

南部地域でよく見られる品種で、濃厚な果実味とスパイスのアロマが特徴です。タンニンの力強さと構造があり、ワインに力強さと持続性をもたらします。

ビオニエ

白ワインの生産に使用されるブドウ品種で、アロマティックな香りが特徴です。白桃やアプリコットなどのフルーツの香りや、ジャスミンやのようなフラワーな香り。バランスの取れた酸味と豊かな果実味が、上品で華やかな白ワインを生み出します。

ローヌ地方の主要な産地

ローヌ地方は、北部と南部に分かれ、それぞれ異なる特徴を持つワインが生産されています。

北部のワインは、シラー種による赤ワインが主に使用されます。高品質な赤ワインの産地として有名です。ローヌ シラーは、芳醇な果実味とスパイシーな香り、力強い酸味、そして力強いタンニンを特徴としています。時に鉄や血と言ったニュアンスもあるシラーワインは、肉料理によく合います。長期熟成させることで、より複雑でエレガントな味わいを楽しむことができます。白ワインではビオニエ種が主に使用されます。

ローヌ北部の主要な産地

シラー種を主体とした赤ワインの生産が盛んです。代表的な産地としては、エルミタージュ、コート・ロティ、コンドリューがあります。

エルミタージュ

ローヌ北部でもっとも有名な産地と言えるのがエルミタージュです。陵地帯に位置し、南向きの急斜面に広がっています。土壌は花崗岩、石灰岩、火山灰など異なる土壌で覆われています。畑によって、土壌、標高、日照時間などが異なるため、畑ごとにワインの風味やキャラクターに違いが現れます。畑によって個性がでるという点では、ブルゴーニュに似ています。エルミタージュのワインは地理的な特性や畑の個性を反映し、多様な選択肢を提供しています。

エルミタージュのシラーは、力強く濃厚な果実味、スパイスの香り、タンニンの豊かさを特徴としています。これらの要素は、エルミタージュのワインが長期熟成に耐えることを可能にし、複雑な風味と深みをもたらします。

エルミタージュでは、一部の畑でヴィオニエを使用した白ワインの生産も行われています。エルミタージュのヴィオニエは、花の香りや熟した果実の風味が特徴であり、エレガントでフルボディな白ワインを生み出します。

コート・ロティ

「コートロティ(焼けた丘)」という名からは想像できない、世界で最もエレガントで上品な味わいのシラーの産地です。時にブルゴーニュと間違うほどのエレガンスと複雑さを持つと言われています。

コート・ロティは北部ローヌの最北端に位置し、シラーが熟すのにはむしろ北限に位置します。このため、コート・ロティ(焼けた丘)と呼ばれるほどに日当たりの良い、南東向きの急斜面の畑ながら、酸度をしっかり保ち、焼けた丘という名前からは想像もつかないほどエレガントなワインができあがるのです。

コンドリュー

コンドリューは、ローヌ地方を代表する白ワインの銘醸地です。また、世界的に見てもヴィオニエを主要な栽培品種としている数少ない産地です。ヴィオニエは古代品種であり、花の香り、熟した果実の風味、豊かなテクスチャーが特徴です。コンドリューのヴィオニエは、独特で芳醇なアロマとエレガントな味わいを持つ、高品質な白ワインを生み出します

 

一方、南部のワインは、グルナッシュ種を主体とし、シラー種、ムールヴェードル種、カリニャン種などがブレンドされます。南部のワインはフルボディで果実味豊かであり、しっかりとした構造を持っています。比較的リーズナブルなワインが多いのも南部のワインです。

ローヌ南部の主要な産地

代表的な産地としては、シャトー・ヌフ・デ・パプ、ジゴンダスが挙げられます。

シャトー・ヌフ・デ・パプ

日本人にはなんとも言いにくい名前ですね。「法王の新城」という意味であるシャトー・ヌフ・デ・パプ最大の特徴は、最大13種類ものブドウ品種をブレンドすることが許された力強い赤ワインです。

砂、石灰岩、赤土などのさまざまな土壌で構成されており、それぞれのテロワールがワインの風味やキャラクターに影響を与えます。また、シャトー・ヌフ・デ・パプは日照時間が長く、地中海性気候の影響を受けています。これにより、ブドウは完熟し、ワインは豊かなフルーツの風味と複雑なニュアンスを備えています。

ちなみに「法王の新城」とは、カトリック教会の中枢である法王庁が14世紀にイタリア ローマからフランス アヴィニョンに移ると言う、当時としては驚きのできごとがありました(現在はイタリア ローマのバチカンです)。アヴィニョンに近いシャトー・ヌフ・デ・パプには、法王の別荘があったとされ、そこから名付けられた名前と言われています。

ジゴンダス

ジゴンダスは赤・ロゼともに主にグルナッシュ、シラー、ムールヴェドルの3つの主要なブドウ品種をブレンドして造られます。温暖な気候に由来するたっぷりとした果実味と凝縮感、バランスの良さ、滑らかなタンニンが特徴で、数年から数十年の長期熟成可能なワインもあります。

シャトー・ヌフ・デ・パプが最大13種類ブレンドされるのに対し、ジゴンダスはグルナッシュを50%以上、補助品種のシラーとムールヴェドルは合計15%以上使用することが義務付けられています。シャトー・ヌフ・デ・パプより冷涼な気候のため、程良い酸味と繊細さを兼ね備えたエレガントなワインとなります。

まとめ

今回は、フランス ローヌ地方ワインの特徴と葡萄品種、主要な産地についてご紹介しました。

ローヌワインの特徴

①豊かな果実味
②スパイスとハーブのアロマ
③高アルコール度数
④長期熟成能力
⑤豊かなタンニンと酸味
⑥コストパフォーマンスの高さ
⑦食事との相性の良さ

つづいて、主要なブドウ品種は4つ。

ローヌワインの主要ブドウ品種

黒ブドウ:シラー、グルナッシュ、ムールヴェドル
白ブドウ:ビオニエ

ローヌ地方の主要な産地は北部と南部で分けて覚える

ローヌ地方の主要な産地

【ローヌ北部】
エルミタージュ
コート・ロティ
コンドリュー

【ローヌ南部】
シャトー・ヌフ・デ・パプ
ジゴンダス

以上、みなさんのワイン選びの参考になれば嬉しいです。楽しいワインライフを!