ワインレポート

【主催ワイン会レポート|前半】ゆるっと楽しむ!世界が広がるワインセッション 〜産地の特徴まるわかり フランス巡り〜

ひさびさの主催ワイン会。今年度は趣向を変えて新たな取り組みを始めました。

ワイン会名は「ゆるっと楽しむ!世界が広がるワインセッション 」

初心者大歓迎! ワインエキスパート資格を持つナビゲーターが、産地にフォーカスしてワインをセレクト。リラックスした雰囲気の中で美味しい料理とワインを一緒に楽しみしながら、気軽に質問・シェアできて ”ゆるっと学べる” コミュニティを目指しています。

第1回目のテーマは「フランス」。フランスは1つの国の中に様々な産地があり、それぞれグローバルスタンダートとなっている味わいのワインがある。そんな国は他にはありません。フランスの産地ごとの味わいを理解し、好きなワインを見つけることができれば、自分の好きなワインを基準に世界中のワインを自分なりに比較しやすくなるんです。

今後も様々な国、地域の産地にフォーカスしていきますが、まずは王道と言うことで、フランスをテーマに選ばさせていただきました。

産地の特徴を表すワインが全部で8本!の予定でしたが、共同主催者の粋な計らいで1本スーパーなワインが追加され、計9本のフランスワインが揃った素敵なワイン会になりました。

まずは前半をレポートします。

ゆるっと楽しむ!世界が広がるワインセッション  〜産地の特徴まるわかり フランス巡り〜

1. 【泡】 ドミニク マサン キュヴェ スペシャル ブリュット NV

産地:シャンパーニュ  品種:ピノ・ノワール100%  生産者:ドミニク マサン

フランス・シャンパーニュ地方の南部コート・デ・バール地区に位置する家族経営の生産者、ドミニク・マサンによるシャンパーニュです。ピノ・ノワール100%を使用したブラン・ド・ノワール。繊細ながらもピノ・ノワールが生み出すコクのある味わい。瓶内熟成を最低36ヵ月。

解説!シャンパンとは

フランス北部のシャンパーニュ地方で造られるスパークリングワイン。ブドウ品種は白ブドウのシャルドネ、黒ブドウのピノ・ノワールとピノ・ムニエが認可されています。今回のワインは、ブランドノワールと呼ばれる黒ブドウ(ピノ・ノワール)のみで造られたシャンパンです。

テイスティングメモ

ゴールドがかったイエロー。りんご、洋梨の香り。細やかな泡とキレイな酸。ピノ・ノワールのコクのある味わい。しっかりと旨みがあり、余韻も長い。

点数:4.0(5点満点)

【白】ルイ ラトゥール マコン ヴィラージュ シャムロワ ブラン 2023

産地:ブルゴーニュ 品種:シャルドネ100% 生産者:ルイ ラトゥール

名門メゾン「ルイ・ラトゥール」が、ブルゴーニュ南部マコネ地区 マコン・ヴィラージュの優れた畑から厳選した平均樹齢30年のブドウを使用。果実味とフレッシュ感を出すためステンレスタンクで8~10ヶ月熟成。ブルゴーニュのシャルドネらしい繊細でエレガントな味わい。

解説!ブルゴーニュのシャルドネ

世界を魅了する白ワインの原点

シャルドネといえば世界中で栽培されているブドウ品種ですが、その原点とも言えるのがフランス・ブルゴーニュ地方。ここでは、テロワール(気候や土壌)を映し出す表現力豊かな白ワインがつくられています。

ブルゴーニュのシャルドネは、レモンやリンゴのようなフレッシュな果実味、白い花、ミネラル、そして樽熟成によるバニラやナッツのニュアンスが繊細に重なり合い、味わいに深みとエレガンスをもたらします。

ブルゴーニュでも産地によって個性はさまざま。シャブリはキリッとした酸と石灰的ミネラル感が特徴の“シャープな辛口”。コート・ド・ボーヌでは、ふくよかでリッチなスタイル。マコネ(マコン)は、親しみやすく果実味豊かなタイプ。

どのスタイルにも共通するのは、品の良さとバランスの美しさ。“シンプルな美しさ”と“深い複雑さ”を併せ持つ、ブルゴーニュのシャルドネ。一口飲むたびに、その土地の表情を感じることができる、まさに芸術品ともいえる白ワインです。

テイスティングメモ

淡いレモンイエロー。レモンやグレープフルーツなど柑橘系の香りが主体で白い花のニュアンスも。味わいは繊細で酸がキレイ。キリッとした印象。温度が上がってくると繊細かつ果実味豊かな味わいに。ACブルゴーニュのお手本のような味わい。

点数:4.0(5点満点)

【白】マルセル ダイス リースリング 2022

産地:アルザス 品種:リースリング100% 生産者:マルセル ダイス

現代アルザスワインの頂点に君臨する、信念と革新の生産者 マルセル ダイス。ブドウは有機農法およびビオディナミ農法で造られ、全て手摘み収穫。天然酵母を使用し、ステンレスタンクで発酵。シュール・リーの状態で12ヶ月間熟成。最大の手間暇をかけた至高のリースリング。

解説!アルザスのリースリング

フランスが誇る「辛口白ワインの王」

フランス北東部、ドイツ国境にほど近いアルザス地方。ライン川沿いに広がるこの地域は、冷涼な気候と多様な土壌に恵まれ、フランスの中でも独特な個性をもつワイン産地です。中でもリースリングは、アルザスを代表する高貴品種。透明感のある酸と、ピュアな果実味、そして凛としたミネラル感が魅力です。ドイツの甘口リースリングとは対照的に、アルザスのリースリングは基本的に辛口。そのため、和食や魚介料理との相性も抜群です。香りはレモンやライム、白い花、時にペトロール(火打石のような)香をまとい、熟成とともに複雑さを増していきます。グラン・クリュ区画から生まれる上級品は10年、20年と熟成するポテンシャルを持ち、ブルゴーニュの白に匹敵する高い評価を得ています。

テイスティングメモ

ゴールドに近いイエロー。レモン、白桃、白い花。ペトロール香はあまり感じられません。味わいはリースリングらしいハツラツとした酸を感じつつも、たっぷりと旨みの凝縮した果実味がたまらない。品種は違うけど、クレドセランの印象に少し近い。とにかく旨みが強くて、口の中が幸せでいっぱい。どんな料理にも合う万能性。素晴らしい。

点数:4.4(5点満点)

【白】シャトー・ラトゥール・マルティヤック ブラン 2016

産地:ボルドー 品種:ソーヴィニョン ブラン、セミヨン 生産者:シャトー ラトゥール マルティヤック

『シャトー・ラトゥール・マルティヤック』は、12世紀より歴史を持つ、赤白ともにグラーヴ格付けワインを造る名シャトー。ボルドーは白もブレンドが基本。爽やかさと芳醇さ、樽の風味など様々な要素が調和したボルドーらしい複雑な味わい。

ボルドーのソーヴィニョン・ブラン

爽やかさと気品を兼ね備えた白ワイン

赤ワインの名産地として知られるボルドーですが、実は高品質な白ワインも多く生産されています。その中でも主役となるのが、ソーヴィニョン・ブラン。柑橘やハーブのような爽やかな香りと、キリッとした酸味が魅力の白ワインです。ボルドーでは、ソーヴィニョン・ブランを主体にセミヨンをブレンドするスタイルが主流。これにより、フレッシュさだけでなく、口当たりの丸みや奥行きのある味わいが生まれます。赤だけじゃないボルドー。上質なソーヴィニョン・ブランの白ワインは、知る人ぞ知る“通好み”の1本です。

テイスティングメモ

濃いレモンイエローの外観。レモンや青リンゴ、洋ナシなど果実のアロマにジャスミンの花のようなニュアンスも。味わいは豊かな果実味に柔らかいながらも豊かな酸。樽の風味を感じる複雑な味わい。2016年で9年熟成だが、まだ少し早いか。あと3年熟成させてから飲みたい。

点数:4.2(5点満点)

 

〜後半につづく〜

後半のレポートはこちら

【主催ワイン会レポート|後半】ゆるっと楽しむ!世界が広がるワインセッション 〜産地の特徴まるわかり フランス巡り〜前回に引き続き、主催ワイン会「ゆるっと楽しむ!世界が広がるワインセッション 」の後半をレポートしていきます。 前半の記事はこちら...