前回に引き続き、主催ワイン会「ゆるっと楽しむ!世界が広がるワインセッション 」の後半をレポートしていきます。
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ゆるっと楽しむ!世界が広がるワインセッション 〜産地の特徴まるわかり フランス巡り〜

【赤】フェヴレ ブルゴーニュ ピノ・ノワール 2022
産地:ブルゴーニュ 品種:ピノ・ノワール100% 生産者:フェヴレ
フェヴレは「ブルゴーニュの教科書」「ブルゴーニュのお手本」と呼ばれる超優良ドメーヌ。ブルゴーニュ各地の厳選した良質なピノ・ノワールから造るブルゴーニュ・ルージュ。フレンチオーク樽およびステンレスタンクで12~14ヶ月間熟成。ピノ・ノワールのエレガントなスタイルを堪能できるワイン。
繊細さが生む、世界最高峰の赤ワイン
フランス・ブルゴーニュ地方は、ピノ・ノワールの聖地と称される名醸地。世界中のワイン愛好家が憧れる地で育つこの赤ワインは、力強さではなく、繊細な香りと優美な味わいで人々を魅了します。色調はやや淡めで透明感があり、グラスに注ぐとイチゴやチェリー、スミレ、紅茶、そして時に土やキノコのような熟成香がふわりと広がります。口に含むと、しなやかなタンニンと美しい酸が調和し、エレガントで奥深い余韻が心に残ります。ブルゴーニュでは、畑ごとの個性(=テロワール)が重視され、「広域」「村名」「一級畑」「特級畑」などでランク付けされたワインが存在。グラン・クリュに至っては、芸術品とも称される極上の味わいに出会うことができます。

淡いラズベリーレッドの外観。チェリー、イチゴ、ラズベリーなどの赤系果実が中心で、赤いバラのアロマ。味わいは繊細で、赤系果実が優しく口の中にひろがる。全体的にバランスが取れ、まさにACブルゴーニュの味わい。
点数:4.0(5点満点)
【赤】シャトー ピュイゲロー 2014
産地:ボルドー右岸 品種:メルロ、カベルネフラン、マルベック 生産者:シャトー ピュイゲロー
シャトー・ピュイゲローは、ボルドー右岸のフラン・コート・ド・ボルドーに位置し、「ル・パン」を所有するティエンポン家のワイナリー。右岸らしくメルローを主体で、黒系果実、スミレのアロマにスモークのニュアンス。まろやかで優しい口あたりとコクのある味わい。
柔らかく包み込む、芳醇な赤ワイン
フランス・ボルドー地方の中でも、ドルドーニュ川右岸に広がるサン・テミリオンやポムロールは、メルロの楽園とも言えるエリア。メルロ主体のワインは、しなやかな果実味と優しいタンニンが魅力で、世界中のワイン愛好家を虜にしています。カベルネ・ソーヴィニョン主体の左岸に比べて、右岸のメルロはよりふくよかで丸みのある味わい。ブラックチェリーやプラムのような完熟した果実香に、カカオやスパイス、湿った土のようなニュアンスが重なり、飲む人を包み込むような温かさを感じさせます。
気候や粘土質土壌がメルロに適している右岸では、早飲みにも向く親しみやすいスタイルから、シャトー・ル・パンやシャトー・ペトリュスに代表される長期熟成型の超高級ワインまで、多彩な表現が生まれています。しっとりとした優雅さと、心地よい飲みやすさが共存する、右岸のメルロ。ボルドーワインの奥深さを知る上で、欠かせない1本です。

深いダークチェリーレッドの外観。カシスやレーズンなど黒系果実、スパイスのニュアンスもあり複雑。熟成してタンニンがしっかり溶け込んだ味わいは、まろやかでなめらか。果実のボリューム感が適度に和らぎバランス良く、ちょうど飲み頃。余韻も長く心地いい。
点数:4.1(5点満点)
【赤】レ・グリフォン・ド・ピション・バロン 2017
産地:ボルドー左岸 品種:カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー 生産者:シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン
メドック地区 ポイヤック村に位置する格付け第2級シャトー・ピション・ロングヴィル・バロンのセカンドワイン。ポイヤック村は5大シャトー3つが存在し、他にも格付けシャトー数が多く存在するボルドーきっての銘醸地。左岸はカベルネ・ソーヴィニョン主体で力強くエレガント。新樽率60%の樽で18ヵ月熟成
力強さとエレガンスの結晶
ボルドー地方のジロンド川左岸、メドックやグラーヴ地区に広がる銘醸地では、カベルネ・ソーヴィニョンを主役とした赤ワインが造られています。深みのある味わいと熟成によって進化する複雑さから、世界のワインラヴァーに「長期熟成型赤ワインの王道」として愛されています。カベルネ・ソーヴィニョンは、黒系果実(カシス、ブラックベリー)や杉、鉛筆の芯、スパイスなどの複雑な香りを持ち、しっかりとしたタンニンと骨格が特徴。若いうちは力強く引き締まった印象ですが、熟成を重ねることでまろやかさと奥行きが加わり、圧倒的な存在感とエレガンスを放ちます。力強く、堂々たる風格を備えたボルドー左岸の赤ワインは、ワインの奥深さと時の流れを楽しむにふさわしい一本です。

深みのあるダークチェリーレッド。カシス、レーズン、プラム、熟したチェリーの黒系果実に、スミレやトースト、ハーブ、鉛筆の芯のようなアロマは複雑でエレガント。アタックは力強く、ボリュームのある果実味としっかりとしたタンニンが主張します。果実味主体で熟成による旨みはまださほど感じられない。ワインの持ってるポテンシャルが高く今飲んでも素晴らしいが、正直、まだ若さが勝っていて本領が発揮されていない印象はあった。飲み頃は3〜5年後かな。デカンタージュした方が良かったかな。
点数:4.2(5点満点)
【赤】E.ギガル クローズ エルミタージュ ルージュ 2020
産地:ローヌ 品種:シラー100% 生産者:E.ギガル
E.ギガルは1946年創業の家族経営のワイナリーで、ローヌ地方を代表する生産者の一つです。ローヌ地方北部のAOC「クローズ・エルミタージュ」で造られる赤ワイン。丘陵地の低収量区画から収穫された平均樹齢35年のブドウ、フレンチオーク樽で18ヶ月間熟成。北ローヌのシラーの魅力を存分に味わえる一本。
野性味とエレガンスが共存する、孤高の赤ワイン
フランス・ローヌ地方の北部、エルミタージュ、クローズ・エルミタージュといった名高いアペラシオンでは、シラーが唯一無二の個性を放っています。冷涼な気候と急斜面の畑が生むワインは、世界中のワインファンを虜にする“力強くも繊細な赤”です。ブラックベリーやプラムの果実味に加えて、黒胡椒、スモーク、肉、鉄分のような複雑な香りが特徴的。

ダークチェリーレッドの外観。熟したチェリーやラズベリーなど、赤系果実だけど熟している印象のアロマ。バラ、スパイス、バニラもあり複雑でエレガント。口あたりは優しく、エレガント。シラーの持つ力強さが溶け込み、きめの細かいタンニンがエレガントな香りや口あたりに進化している。ちょうど飲み頃。コスパ最高のワイン。
点数:4.4(5点満点)
【赤】アントワーヌ リジェレ シャルム・シャンベルタン グランクリュ 1984
産地:ブルゴーニュ 品種:ピノ・ノワール100% 生産者:アントワーヌ リジェレ
ワイン好きならいつかは飲みたいのが、ブルゴーニュ グランクリュ のワイン。数万円〜数十万円するワインはもはや飲み物ではなく“飲む宝石”。
ブルゴーニュの銘醸地 コート ド ニュイ地区 ジュヴェレ シャンベルタン村に9つあるグランクリュ畑の1つ『シャルム シャンベルタン』のワイン。
アントワーヌ・リジェレのワインは、現在ではあまり市場に出回っておらず、ヴィンテージワインとしてオークションや専門店で取り扱われることが多い希少性の高いワインです。
40年の熟成を経たブルゴーニュ グランクリュ・・滅多にお目にかかることのできない宝くじワインです。

レンガ色を帯びたガーネット、オリが少し混じった外観。果実のアロマはほんのりイチゴが隠れてるが、紅茶や出汁、タバコなどの熟成したアロマが複雑で妖艶。このままずっと香っていたい笑。口に含むと繊細なながらも口中に香りがぐんと広がる。しっかりと旨みが残って、身体中の細胞が喜んでいます。飲み頃でいうと、多分ラストの方だと思う。これ以上熟成させると、ヘタリの方が目立ってきそう。ピノ・ノワールのような繊細な味わいのブドウが40年後にしっかりした味わいで飲めることに改めて感動。
点数:4.5(5点満点)
さいごに
イベントコンセプトのおさらい
- 世界を一口で:代表産地をまとめて体験、味の違いが一気にわかる!
- 質問し放題:初心者の「今さら聞けない」も遠慮なくOK👌
- 仲間づくり:ワイン好き同士つながるきっかけに🍷🤝
産地にフォーカスし、産地を表すワインを堪能できました。参加者の皆さんの疑問や質問にもその場でお答えし、楽しみながらもゆるっと学べることを目指したワイン会でしたが、楽しみながらもいい会になったと思います。
あと個人的には、やはり「ワインは飲み頃に飲むのが大事」とあらためて実感できました。この部分は経験によるところが大きいので、これからさらに鍛錬していきます。
次回「産地の特徴まるわかり イタリア巡り」でお会いしましょう!