ワインのギモン

まずはこれだけ覚えよう!赤ワインのブドウ品種 7選とおすすめワイン!

「ワインは好きだけど、種類や味の違いがよくわからない」
「結局どうやってワインを選んだらいいの?」
「せっかくなら美味しいワインが飲みたい」

そんな悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?

できることなら自分好みのワインを自分で選んでみたいと思ってはいるものの、本を買って学んだり、スクールに通ったりするのはなかなかハードルが高いものです。

この記事では、赤ワインの代表的なブドウ品種について、特徴有名な産地有名ワインも合わせてワイン初心者向けにわかりやすくご紹介します。

また、おすすめのワインが知りたいという人のために、自分自身が実際に飲んで美味しかったワインをご紹介していきます。

少しだけ自己紹介させてください!

日本ソムリエ協会のワインエキスパート兼ワイン検定講師をやっている「いた」と申します。宅飲みこそワインを一番コスパよく楽しむ方法です。ワイン初心者のみなさんにこそコスパよく気軽に宅飲みワインを楽しんでもらえるよう情報発信していますので、ぜひ楽しんでいってください。

では、早速まいりましょう!

①カベルネ・ソーヴィニョン(CS)

力強いワインの代表格といえば、カベルネ・ソーヴィニョンでしょう。世界中で栽培され、最も有名なブドウ品種と言えると思います。

特徴は、濃厚コクがあり、パワフルな味わいです。

よくワインのボリューム(口に含んだ時の印象)でフルボディといった表現をされます。香りはレーズンやカシスなどの黒系果実やコッペパン、インクなどの黒いイメージです。

代表的な産地は、フランス ボルドーアメリカ カリフォルニアチリです。

ボルドーは、世界中のワイン好きが憧れるワイン達の宝庫です。「5大シャトー」を筆頭に高級ワインとしても有名です。某テレビ番組の格付けでは、1本100万円のワインとして紹介されることも多いのが、ボルドー カベルネ・ソーヴィニョンの高級ワインです。メルローやカベルネ・フランなど他品種とブレンドされることが多いのも特徴です。

5大シャトーとは、ボルドー メドック格付け1級の5つのシャトーとことを言います。

▼5大シャトー
シャトー・ラフィット・ロートシルト
シャトー・ラトゥール
シャトー・マルゴー
シャトー・オーブリオン
シャトー・ムートン・ロートシルト

ちなみに「シャトー」とは、ボルドーで栽培・醸造・熟成・瓶詰めまでを一貫して行う生産者のことです。シャトー(お城)という名の通り、まるでお城のような豪華な醸造所が多いです。

カリフォルニアは、ワイン新興国でありながら、ナパ・ヴァレーを筆頭に非常に高品質なワインが造られます。中でも「カルトワイン」と呼ばれるワインは、人気も価格も「超」が付くほど高いです。

チリは、ワイン栽培に適した気候に加え、人件費が安く、品質がいい割にリーズナブルなワインが多いのが特徴です。日本とチリは経済連携協定(EPA)によりワインにも関税がかからないのも、低価格を後押ししています。

個人的におすすめの1本!

個人的におすすめしたいのが、ボルドーのセカンドワインです。

セカンドワインとは、ワイナリーの「2番手のワイン」のことをいいます。一方で一番品質の良い看板ワインは、「ファーストラベル」と呼ばれます。

セカンドワインといっても、侮るなかれです。ファーストラベルの基準に達しない樹齢の若いブドウなどから、ファーストラベルと同様な手間で栽培・醸造されたワインが多いので、ボルドーの一流ワインの味わいを知るにはとても便利なのです。

また、多くのファーストラベルのワインは、飲み頃がくるのに最低でも5〜6年はかかり、本当のベストな時期はもっと先だったりします。セカンドワインはそこまで時間を要しない点も便利なところです。

おすすめワイン|ル・マルキ・ド・カロン・セギュール

カロン・セギュール」という名前はもしかすると聞いたことがあるかもしれませんね。ボルドー格付け3級のシャトーです。エチケットにハートが描かれている人気のワインです。

ボルドー メドック地区 サンテステフ村にあり、ボルドーワインの味わいを知るにはもってこいのワインです。

セカンドラベルでも十分に美味しく、ファーストラベルに比べ3/1から1/4くらいの価格で、2023年1月現在でざっくり4000〜5500円くらいの価格です。

決して安くはないですが、美味しいボルドーワインがどういう味なのか知る意味でも一度チャレンジしてみる価値は十分にあると思います!

②ピノ・ノワール(PN)

繊細かつエレガントなワイン、それがピノ・ノワールから造られるワインです。

繊細な味わいとは、渋みが少なめで、口に含んだ時のボリュームが少なめのことをいいます。カベルネ・ソーヴィニョンと正反対に位置するようなワインといえるでしょう。

香りは、ラズベリー、イチゴ、チェリーなど赤系果実や、バラ、スミレのようなフローラル系、熟成してくると紅茶や出汁のニュアンスもでてきます。

魅惑的で複雑な香りと飲み疲れない身体に寄り添う感じが、多くのワイン好きを引きつけ続ける要因だと思います。

ピノ・ノワールは自分の知る限り、多品種とブレンドされることなく単一品種のワインになります。繊細ゆえに多品種とブレンドするとピノ・ノワールの良さが消えてしまうからですね。

代表的な産地は、フランス ブルゴーニュアメリカニュージーランドです。

ブルゴーニュは、テロワールと呼ばれる気候や地形、畑の土壌など、ブドウ畑を取り巻くすべての要素を最大限ワインに反映させるワイン造りがされます。

世界中のワイン好きが憧れるワイン達の宝庫です。一番有名なワインは、ロマネ・コンティでしょう。遠い存在すぎてわからないですが、1本数百万円します。死ぬまでに一度は飲んでみたいワインの1つです。

▼ブルゴーニュの有名ワインたち
ロマネ・コンティ
シャンベルタン
コルトン

ボルドーのシャトーと同様に栽培・醸造・熟成・瓶詰めまでを一貫して行う生産者をブルゴーニュでは「ドメーヌ」と呼びます。一番の違いは、規模です。ボルドーのシャトーは大規模ですが、ブルゴーニュのドメーヌは家族経営の小規模なものが多いです。

ブルゴーニュ ワインには大きく4つの格付けがあります。地方名村名1級畑特級畑です。物理的な範囲が狭くなるほど高級になっていきます。生産者によって差はありますが、地方名で3000〜5000円、村名で5000〜1万円、1級畑だと1万円〜、特級畑だと5万円〜のイメージです。

アメリカの中にもいくつか生産地域があり、カリフォルニアはピノ・ノワールだけど果実味が凝縮され、ジューシーパワフルな印象のワインが多いです。飲むととても元気になります。ワシントン州(西海岸、カリフォルニアの北)では、ブルゴーニュに近い繊細な味わいのものが多いです。

ニュージーランドは、ピノ・ノワールの隠れた銘醸地です。南半球で涼しい気候の中、ブルゴーニュに似た繊細な味わいのワインが多いです。価格もブルゴーニュと比べるとリーズナブルなものが多く、ピノ・ノワール好きにはおすすめの国です。

個人的におすすめの1本!

ブルゴーニュの美味しいピノ・ノワールを飲みたいと思うとそれなりのお値段がします。そこで個人的におすすめなのが、ニュージーランドのピノ・ノワールです。

おすすめワイン|クラウディ・ベイ ピノ・ノワール

ニュージーランド南島のマールボロ地区は、世界的にも有名なピノ・ノワール産地です。

生産者はクラウディ ベイ。味わいはブルゴーニュのように繊細で、チェリーなどの赤系果実やハーブ、紅茶などの香りが複雑に絡みエレガントです。余韻も長く、美味しいピノ・ノワールをリーズナブルに飲みたい時はこれです!

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③メルロー(MR)

まろやかで口当たりが良く、コクもあるのがメルローです。

単一品種でも高品質なワインとなるメルローですが、フランスボルドーではカベルネ・ソーヴィニョンとブレンドされることも多いです。

カベルネ・ソーヴィニョンはタンニンが力強く、ともすればギシギシした感じになるので、メルローが厚みやコク、まろやかさを補う良きパートナーになります。

代表的な産地は、フランス ボルドーです。メルローは病気に強くタフな品種のため栽培しやすく、イタリア、アメリカ、チリなど世界各地で高品質なワインが作られます。日本でも長野県塩尻では、上質なメルロー ワインがつくられています。

フランス ボルドーでは、メルローには大きく2つのワインがあります。一つは、5大シャトーがある左岸と呼ばれるメドック地区を中心に、カベルネ・ソーヴィニョンとブレンドされます。ブレンド比率はシャトーによって異なりますが、カベルネ・ソーヴィニョン主体の場合が多いです。高級ボルドーワインに欠かせない存在です。

もう一つが、右岸と呼ばれるサンテミリオン地区、ポムロール地区です。こちらは、単一品種でつくられることが多く、なかでも「ペトリュス」はワイン好きなら誰もが憧れる超高級ワインです。同年代であるなら、5大シャトーより価格は高いです。

▼サンテミリオン、ポムロールのスターワインたち
ペトリュス
ル・パン
シュヴァル・ブラン
オーゾンヌ
ヴァランドロー

個人的におすすめの1本!

ボルドー 右岸 サンテミリオン地区の伝説的なシンデレラワイン「ヴァランドロー」。なかでもおすすめは、ヴァランドローのセカンドワイン「ヴィルジニー・ヴァランドロー」です。

メルロー80%、カベルネ・フラン15%、カベルネ・ソーヴィニョン5%で、メルローの特徴であるまろやかなコク、複雑で優雅な香りのワインです。

ワインを学んで一番最初にハマったワインで、個人的に思い入れの深いワインでもあります。

6,000円近い価格は決して安くはありませんが、週末や特別な日にぜひ飲んでみてください。優しい味わいが身体を包み込みます。

④シラー(SY)

スパイシー力強く、かつ気品高いのがシラーです。

力強さやコクでいうとカベルネ・ソーヴィニョンと方向性は同じですが、一番の違いは黒コショウのようなスパイシーな香りです。加えて、温暖な気候で完熟したブドウからつくられるため、とてもジューシーです。

香りは、黒コショウのようなスパイス、ブラックベリー、チョコレート、鉄のニュアンス。

代表的な産地は、フランス ローヌ(北部)とオーストラリアです。

ローヌ(北部)では、エルミタージュコート・ロティをはじめとした高品質なワインがつくられ、世界的に有名です。スパイシーさに花の香りもプラスされ、アロマティックでエレガントなワインになります。

ボルドーの5大シャトーと並び称されるほどの評価がありながらも価格は半分以下なので、ある意味リーズナブルな高級ワインです。

▼ローヌ(北部)の有名ワインたち
エルミタージュ
コート・ロティ

オーストラリアではシラーズと呼ばれ、フランスのシラーとは明らかに違った特徴があり、飲んだ瞬間に「シラーズだ」と感じるほどです。

特徴は、ユーカリのようなアロマティックな香りです。パワフルでコクがあるのは同じですが、よりジューシーでユーカリのニュアンスを感じるのがシラーズです。

いずれも肉料理に合わせたいワインです。

個人的におすすめの1本!

ローヌ(北部)の「シャプティエ クローズ エルミタージュ レ メゾニエ」です。

シャプティエは、ローヌ(北部)の代表的な生産者です。かの有名なワイン評論家ロバート・パーカー氏により、最高評価の100点をなんどもたたき出していることで世界的に有名になりました。

シャプティエの特級畑のブドウを使用したプレステージシリーズの赤ワインです。力強さにエレガンスさも兼ね揃えたシラー おすすめのワインです。

 

⑤ネッビオーロ(NB)

イタリアきっての高貴なブドウ品種のネッビオーロ。繊細で栽培条件が難しいため、イタリア ピエモンテ州の一部でしか栽培されていませんが、品質の高さから世界に知れ渡るワインです。

ピエモンテ州はイタリア北部に位置しており、アルプス山脈を挟んでフランスに近い場所にあります。イタリアと言えば温暖な気候をイメージしが、ピエモンテ州は夏場でも27〜30度と冷涼な気候です。北海道の気候に近いかもしれません。

味わいの特徴は、骨格がしっかりして酸味と渋味が豊富で、バラプラムチェリーの香りです。ピノ・ノワールの繊細さに力強さを加えたような印象です。

骨格がしっかりしているため、若いうちに飲むと酸味と渋味であまり美味しく感じられないかもしれません。熟成させてから飲みたいワインです。

個人的におすすめの1本!

イタリア ピエモンテ州、バローロ フォンタナフレッダです。

バローロ最大の生産者です。伝統的大樽熟成のため、力強くなりすぎず早めに飲むことができるバローロです。とは言っても、味わいはエレガントでバローロを存分に味わうことのできるので、おすすめできる1本です。

⑥サンジョベーゼ(SG)

イタリアの人気者「サンジョベーゼ」。イタリアのさまざまな地域で栽培され、最も栽培されているブドウ品種です。

カジュアルに気軽に飲めるものからエレガントなものまで、多種多様なワインがつくられます。なかでも中部トスカーナ州では、サンジョベーゼ主体の有名ワインがあります。キャンティキャンティクラシコブルネロ・ディ・モンタルチーノです。

特にキャンティは、世界中に名を知られたワインです。

ちなみに、キャンティ クラシコは、キャンティがかつて世界で有名になった際、キャンティと名乗れば売れるため粗悪なワインが多く出回ったことがありました。そこで、伝統的なキャンティ生産者が集まり、「キャンティ クラシコ」というキャンティとは別のD .O .C .Gのワインがつくられました。今でもキャンティとキャンティ クラシコは別のワインになっています。

トスカーナ州でもう一つ忘れてはならないのが、スーパートスカーナ(スーパータスカン)です。

ワイン法や伝統的なつくり方に捉われず、美味しさをとことん追求したモダンなスタイルのワインです。

国際品種であるカベルネ・ソーヴィニョンやメルローにサンジョベーゼをブレンドしてつくられるため、イタリア方で定められた原産地呼称を得られず、ワイン法では低格付のVdTやIGT位置付けされています。

しかしながらその味わいは、フランス ボルドーに勝るとも劣らないスペシャルな味わいです。そんなスーパートスカーナの先駆けとなったのが「サッシカイア」です。

▼反逆児!スーパータスカンな有名ワイン
サッシカイア
オルネライア
GAJA(ガヤ)

個人的におすすめの1本!

トスカーナ州 キャンティ クラシコ、「キャンティ クラシコ ベラルデンガ」です。

生産者はフェルシナ、サンジョベーゼワインの有名生産者です。キャンティ クラシコらしいワインで、チェリーやイチゴの赤系果実にチョコレートやコッペパンの黒系ニュアンスが混じります。

ピノ・ノワールとカベルネ・ソーヴィニョンを足して2で割ったような(と言ったら生産者に怒られるかもしれませんが)、いいとこ取りしたワインです。

⑦テンプラニーリョ(TP)

最後は、スペインを代表する品種のテンプラニーリョです。

栽培面積が世界第4位の品種ですが、そのほとんどがスペイン産です。単一品種あるいは、グルナッシュやカベルネ・ソーヴィニョンとブレンドされることもあります。

タンニンが豊富ですがカベルネ・ソーヴィニョンほどではなく、アメリカンオーク樽でしっかり長期熟成されます。

長期熟成されたテンプラニーリョは、イチゴやプラムなどの果実味にスパイシーさが加わり、まろやかになった口あたりと複雑性のある高品質なワインになります。

個人的におすすめの1本!

スペインのリベラ・デル・デュエロ地区、「ティント・ペスケラ レゼルヴァ」です。

生産者は、ティント・ペスケラです。先ほども出てきた有名なワイン評論家ロバート・パーカー氏が、「スペインのペトリュス」と絶賛したことで一躍有名になったワイナリーです。

レゼルヴァは、アメリカンオークで24ヶ月間熟成され、さらに12ヶ月間の瓶内熟成を経てようやく出荷されます。

たっぷり熟成されたテンプラニーリョは、なめらかな口あたり果実の凝縮感チョコレートコッペパンの風味が複雑に絡み合う魅惑的なワインです。

まとめ

今回は、赤ワインの代表的な品種を7つご紹介させていただきました。

①カベルネ・ソーヴィニョン(CS)
②ピノ・ノワール(PN)
③メルロー(MR)
④シラー(SY)
⑤ネッビオーロ(NB)
⑥サンジョベーゼ(SG)
⑦テンプラニーリョ(TP)

どの品種が自分好みなのかを見つけるのもワインの楽しみの一つです。

ぜひ参考していただいて、楽しみながら美味しいワインライフを送っていただければ嬉しく思います。