ワイン日記

ソムリエ協会 例会セミナー「ロゼ、オレンジ、アンバー、各ワインのテイスティングとその活用法」に参加

ソムリエ協会で年に4回開催される「例会セミナー」の2023年1回目、「ロゼ、オレンジ、アンバー、各ワインのテイスティングとその活用法」に参加してきました。

近年、世界的にはブームと言われる程人気のロゼと、こちらも話題となったオレンジワインを学び、味わってきました。

例会セミナー、ソムリエ協会会員は参加費無料です。ありがたいですね〜。ソムリエの方々は夜仕事のことが多いため、開催は平日午後14時〜16時で開催されることが多いです。ホテルの広い会場で、真剣に勉強する方々と同じ空間にいるだけで気合が入ります。

ロゼワイン

日本では、レストランやワインショップでも数の少ないロゼですが、近年世界的にブームです。

人気の理由はいろいろ考えられます。

  1. 万能さ(料理に合わせやすい)
  2. カジュアルにのめる(価格含め)
  3. 見た目がキレイ

まず、なんと言っても料理に合わせやすい万能さがロゼの魅力です。魚介類でも赤ワインの生臭くなりにくく、肉料理に合わせてもコクがあるので物足りなさを感じません。

価格を含め、気軽に料理を選ばずカジュアルにのめるところが魅力です。日本では昼間から飲む文化はあまりないですが、特にヨーロッパではランチと一緒にワインを飲むことも普通にあります。仕事の合間といっても、白だと物足りない場合もあり、赤だと重すぎる。そんな時にロゼは超便利です。

見た目です。ピンク色のワインはうつくしくスタイリッシュです。特に若い世代は、変な先入観がなく、「ブランド」的なものに妙に迎合しないバランスの良い感覚を持っています。弱点がないんじゃないかとさえ思えるロゼが受け入れられるのは当然でしょう。

オレンジワイン

もう一つ近年話題を集めているワインといえばオレンジワインでしょう。

オレンジと言っても、原料がオレンジではありません。念のため。

オレンジワインの原料は白ワインと同じ白ブドウです。何が違うかというと、製造方法です。オレンジワインは、白ブドウの果皮や種子、果肉を含めて長期間発酵・浸漬することで作られます。

▼ワインのつくりかた

◇白ワイン
白ブドウを除梗→果肉をプレス→果汁を発酵→熟成

◇赤ワイン
黒ブドウの果皮や種子含めて発酵→プレスし除梗→熟成

◇オレンジワイン
白ブドウの果皮や種子含めて発酵→プレスし除梗→熟成

白ワインと赤ワインは、除梗(皮や種子を取り除く)と発酵のタイミングが異なるのです。

白ワインは、白ブドウの果皮や種子を最初に取り除き、プレスされた果汁を発酵させます。赤ワインは、黒ブドウを果皮や種子と一緒に発酵させ、プレスして果皮や種子を取り除きます。

オレンジワインは、原料は白ブドウを使い、つくりかたは赤ワインのように作ります。

この製法によって、オレンジワインは通常の白ワインよりも濃厚で芳香があり、味わいにはタンニンが感じられます。また、色合いは、オレンジやアンバーであることが多いです。

テイスティング

銘柄は記載することができないため、生産地と飲んだ感想です。

①ロゼ|フランス プロヴァンス地方
ロゼといえば、プロヴァンスがもっとも有名な地域でしょう。色はサーモンピンク。チェリーやバラの香り。飲んだ第一印象は力強いです。タンニンがしっかりしてますが酸味がキレイでバランスが良いので、全体的にエレガントな仕上がりです。さすがプロヴァンスと感じさせるワインでした。

②ロゼ|フランス ローヌ地方
ローヌ地方のタヴェルと呼ばれる生産地のロゼ。フランス3大ロゼ生産地は、プロヴァンス、ロワール、ローヌです。ローヌの中で最も有名な産地が「タヴェル」です。色はラズベリーピンク。ラズベリーのような赤系果実の香り。セニエのため、しっかり渋みが抽出されて力強い。ジューシーな味わい。

③ロゼ|フランス ボルドー地方
ボルドーは赤ワインのイメージが強いですが、主にアントル・ドゥー・メール地区でロゼが多くつくられています。色はサーモンピンク。香りはチェリーや白い花。飲んだ第1印象は「さわやか」です。赤ワインの力強いイメージとは逆です。スムーズな飲み口でタンニンはおだやか、緻密な酸でデリケートなロゼでした。

④ロゼ|フランス ロワール地方
フランス3大ロゼ生産地の最後はロワール地方です。ロワールでは、「カベルネ ダンジュ」と呼ばれる少し甘口のロゼワインが人気です。ブドウ品種はカベルネ・フラン。色合いはローズピンク。独特の甘い香りはイチゴジャムのよう。口に入れた瞬間、スウィート。タンニンと酸味は優しく軽快なロゼです。

⑤ロゼ泡|フランス シャンパーニュ地方
本日のご褒美ワイン、シャンパーニュのロゼです。①から順にテイスティングしていくのですが、別格の美味しさ。シャンパーニュは飲み比べることで、美味しさに再認識させられます。色はサーモンピンク。香りは複雑。ラズベリーの果実、フローラル、トースト、ウメなど様々な香りが複雑に絡み合います。口に入れた瞬間、ドキッとするような酸味を感じますが、じょじょに芳醇な甘味が広がりミネラルが引き締めます。泡は細かく、クリーミー。一口で、笑顔が溢れること間違いなしのロゼシャンパンです。

⑥オレンジ|ジョージア
オレンジワインは初めて飲みました。色合いは銅色。香り独特で、酸化したような香りやオレンジ、土っぽさを感じました。味わいは、しっかりしたタンニン、独得の苦味と甘味、アルコール感。これは好き嫌いが分かれるワインです。正直、酸化したような香りは好みではありませんが、2〜3くち飲んでいくと自然と慣れてきます。ブドウ品種のムツヴァネ・カフリは、いい意味で特徴が薄い品種です。特徴のなさゆえ、皮や種子ごと発酵させる製法でタンニンを抽出し独特のワインを作りだしたのでしょう。

⑦オレンジ|オーストラリア
ブドウ品種は、ピノ・グリやソーヴィニョン・ブランなどのフランス系国際品種。色合いは淡いイエロー。ほぼ白ワインに見えます。香りは種子系の苦い香り、レモン、グレープフルーツ、アーモンド。味わいはイキイキとした酸味が特徴。香りは繊細で、味わいはパンチがあるギャップ系ワインでした。

⑧オレンジ|日本 山梨県
ブドウ品種は甲州。色合いはベージュ。香りは控えめ、あえていうとハーブ、みかん。しっかりした酸味とひかえめな苦味。ほぼ白ワインな味わいは、甲州らしい繊細なコンパクトな味わいでした。

まとめ

ロゼワイン、オレンジワインを飲み比べて、味わってきました。

なかなか飲み比べる機会はないので、とても勉強になります。そして、自分が感じたこととプロの講師のテイスティングコメントを比較することで、「あ、同じだな」と自信を深めたり、「そういうふうに感じるんだ」と気づきをもらえました。

これからも色々なワインを楽しみながら飲んで学び、みなさんのお役に立てる記事を書いていこうと思った1日でした。