MENU
ワイン日記

【ワイン会】「2023年日本ワイナリーアワード」受賞 余市町&仁木町のワイン。北海道ワイン11選!

ワイン会のテーマは、2023年6月2日に発表された『2023年日本ワイナリーアワード』の星をとった余市&仁木のワインです。

北海道在住のワイン好きとしては、北海道のワインがますます美味しくなってなってきているのを実感しています。

個人的に今回のワイン会の目的は、ドメーヌ タカヒコのピノ・ノワールです。北海道を代表すると言っていいワインですが、恥ずかしながらこれまで飲んだことがありませんでした。なぜ飲んだことないかと言うと、「買えないから」です。

ドメーヌ タカヒコのワインは非常に入手困難なワインです。普通に店に置いていることはなく、限りあるワインショップで抽選による購入になります。抽選もワインショップの常連さんがメインで実施されるので、一般人が買えることはほとんどないと言っていいいでしょう。

そんな貴重なドメーヌ タカヒコの2014年ナナツモリピノ・ノワールが飲める貴重なワイン会のレポートです。

日本ワイナリーアワード

『日本ワイナリーアワード』は、2023年で第6回となる品質の高い日本ワインを造るワイナリーを評するコンクールです。ワインそのものではなく、安定して高品質なワインをリリースするワイナリーを評価すると言う点がポイントです。

星の数で評価され、5つ星が最高ワイナリーです。審査対象は、設立より5年以上経過した国内ワイナリーです。2023年は5つ星が16ワイナリー、4つ星が64ワイナリー、3つ星は104ワイナリーでした。

日本のワイナリー数

国土省2021年発表データによると、国内のワイナリー数は413。1位は山梨県の92。2位は長野県62。3位は北海道の46です。

ワイン会「2023年日本ワイナリーアワード」受賞 余市&仁木のワイン

受賞した北海道 余市町と隣町の仁木町のワイン全11本同時に愉しむ贅沢なワイン会でした。

受賞した余市&仁木のワイン

星5:ドメーヌ・タカヒコ
星4:キャメルファーム、ドメーヌ・アツシスズキ、平川ワイナリー、モンガク谷ワイナリー、ル・レーヴワイナリー
星3:ドメーヌ・モン、ドメーヌ・ユイ、ニキヒルズワイナリー、登醸造、リタファーム&ワイナリー

①【泡】リタファーム&ワイナリー キュヴェ リタ シャルドネ 2020

リタファーム&ワイナリー(☆☆☆)|余市町

余市町で、「余市ワイン」、「ドメーヌ タカヒコ」に次ぐ3番目のワイナリーとして誕生。ワインは全て自社畑のブドウで造られます。野生酵母による自然発酵で、可能な限り自然に逆らわない醸造を実践。夫婦二人で営む小規模なワイナリー。

野生酵母による自然発酵。南西斜面で育ったシャルドネをホールパンチで低圧搾汁して瓶内二次発酵後、3年間の瓶内シュールリーを経てデゴルジュマン。ノンドサージュ。

ワインレビュー
色合いはレモンイエローからゴールド。レモンやグレープフルーツの柑橘系の香り。グラスからはあまり泡立ちはないものの、瓶内二次発酵らしく細かい舌触り。グレープフルーツの皮のような苦味が印象的。

評価 3.0

②【白】ニキヒルズワイナリー ハツユキ 2020

ニキヒルズワイナリー(☆☆☆)|仁木町

目指すのは「世界に通用するワイン」。2014年開業。2015年から仁木・余市町の契約農家のぶどうを使ったワイン醸造を開始。2019年秋からは自社畑のぶどうによるワイン造りも開始。32Haの敷地内にはワイン畑、醸造所のほか、直売所やレストラン、宿泊施設もあり、ワインツーリズムで仁木町の発展を目指すワイナリーです。

ブドウ品種はケルナー100%。ヴィンテージは2020年。

ワインレビュー
色合いはレモンイエローからゴールド。レモン、りんご、ハチミツ。ドイツ品種らしいボリュームのある仕上がり。柑橘系の果実味とミネラル、オイリーな口当たりが素晴らしい。

評価 3.4

オイリーでしっかりした酸も残っていて、フランスのリースリングのよう。北海道ワインの品質向上が感じられる美味しいワインでした。

③【白】ドメーヌ モン モンケルン 2020

ドメーヌ・モン(☆☆☆)|余市町

ドメーヌ タカヒコで2年間修業された山中敦生さんが、2016年に北海道余市町登町に開業したワイナリー。3haほどの畑で小さな農園兼醸造所。

モンケルンは余市町登地区の安芸ヴィンヤードで育てられたケルナーを100%使用したワインです。収穫から瓶詰めまで一切亜硫酸は使用しておらず、無濾過、無清澄の自然な造りのワインです。

ワインレビュー
濁りのある金色。香りはビオっぽい還元的な香り。若干微発泡で、ケルナーの酸味、ミネラル、残糖感がある。

評価 3.3

ワイン会参加者の評価は高く、世界に通用すると言う人もいたが、個人的にはビオっぽい香りのワインはどうもそんなに好きではない。自然なつくりを否定するわけでは全然ないが、好みの問題だろう。

④【白】ル・レーヴ ワイナリー ユアストーリー

ル・レーヴ ワイナリー(☆☆☆☆)|仁木町

2020年から自社醸造設備でワイン醸造を開始。ワイン醸造は複数の品種を発酵段階で混ぜて醸造する混醸(フィールドブレンド)を基本としています。無濾過・無清澄、野生酵母で自然派ワインです。

ブドウ品種は、余市安芸農園産のバッカス、ケルナー、シャルドネんのフィールドブレンドです。自社ブドウは切り絵のシリーズとなりますが、契約ブドウを使用したワインは梅結びのタグをしようした「Story」シリーズとなります。

フィールドブレンドという醸造スタイル自体、恥ずかしながら初めて知りました。。

ワインレビュー
淡いレモンイエロー。無濾過ですがそんなに濁ってはいない。ビオっぽい還元的な香り。飲み口はとってもスムーズ。青リンゴのニュアンスでフレッシュな味わい。

評価 3.3

⑤【白】モンガク谷ワイナリー 杤(とち)2018

モンガク谷ワイナリー(☆☆☆☆)|余市町

ブドウの栽培から醸造までを家族で一貫して行うファミリーワイナリー。現在7品種のブドウを栽培し、ブドウを混醸して醸造するフィールドブレンド。現在リリースされているのはは全て白ワイン。無濾過・無清澄、野生酵母で自然派ワインです。

ブドウ品種は、ピノノワール75%、ピノグリ14%、ソーヴィニヨンブラン8%、シャルドネ2%、ピノタージュ1%。アルコール分13.0%、MLF有です。

ワインレビュー
ゴールドに近いイエロー。香りは青リンゴ。MLF発酵してるけど、感じたのはりんご酸。酸味がしっかりしている。料理についていたレモンをかじってワインを飲むと、酸味が穏やかに感じられ蜂蜜のような風味に。

評価 3.2

⑥【ロゼ】ドメーヌ・アツシ・スズキ ヨイチ・ロゼ サンスフル 2016

ドメーヌ・アツシ・スズキ(☆☆☆☆)|余市町

「ドメーヌ タカヒコ」の曽我さんのもとでのもとで醸造を学び、2015年にワイナリーを開業。家族経営のファミリーワイナリー。野生酵母のみうを使用し、酸化防止剤は、瓶詰め時に少量添加するのみ。赤ワインはピュアな味わい、白ワインはミネラルを感じるブドウが本来持つ力を表現するワイン造りを目指しています。

ミュラー、ケルナー、ツヴァイゲルトのブレンドによるロゼワイン。

ワインレビュー
少し濁りのあるピンク。ビオっぽい還元的な香り。少し微発泡な感じ。酸味がハツラツとしていて、飲むと体が元気になる気がする。夏の昼下がりに飲みたいロゼ。

評価 3.4

⑦【赤】ドメーヌ タカヒコ ナナツモリ ピノ・ノワール 2014

ドメーヌ・タカヒコ(☆☆☆☆☆)|余市町

本日の主役がなんとここで登場。通常ワイン会で主役は大トリを飾るものですが、料理の真鯛のポワレに合わせて繊細な味わいのドメーヌ タカヒコをここで投入です。

日本一のピノ・ノワール生産者といっていいであろうドメーヌ タカヒコ。ドメーヌを開設したのは2010年。今から13年前です。今や世界に認められる生産者ですが、13年でここまで結果を出してくるのは並大抵のことではありません。

栃木県ココ・ファーム ワイナリーで、現在は空知の10Rワイナリーのブルース・ガットラブさんと出会い、栽培責任者として10年間勤めました。自身のドメーヌを立ち上げるべく日本全国の中から選んだのが余市町でした。余市の気候と土壌なら日本での栽培が難しいとされていたピノ・ノワールの栽培に適しているとの思いからです。

現在2.5Haある自社畑で栽培されるのはピノ・ノワールのみ。欧州ではワインのミネラルがうたわれる中、曽我さんが目指しているのは旨味。和食に寄り添う旨みのあるピノ・ノワール。出汁旨ピノです。

ワインレビュー
エッジが少しレンガがかった輝きのあるガーネット。いちご、きのこ、紅茶、タバコの複雑な香り。味わいは、とても澄んで綺麗な味わい。いちごのチャーミングな果実味に熟成からくる紅茶、旨みをしっかり感じます。酸味がまだまだ元気でまだ熟成できそう。余韻が長く続く、エレガントな味わい。ブルゴーニュと比べると、澄んで綺麗、研ぎ澄まされた和の印象を受けた。

評価 4.1

タイは白身の魚だけど、ポワレされカリッと香ばしい味わいにピノ・ノワールがピッタリくるんだな〜。

⑧【赤】登醸造 セツナウタ 2021

登醸造(☆☆☆)|余市町

オーストリア原産のツヴァイゲルトの栽培に力を入れているワイナリー。栽培するツヴァイゲルトの8割が10Rワイナリーへ運ばれ「こことある」という銘柄のワインに。自家醸造は2割ほどで「セツナウタ」と言う銘柄のワインになります。栃木県ココファームの原料ブドウも栽培しています。野生酵母のみで発酵させます。

ツヴァイゲルト100%、ヴィンテージは2021年。

ワインレビュー
濃いめのガーネット。カシス、イチゴの香り。フレッシュな果実味で酸がしっかり。タンニンは控えめでスムーズな口あたり。口の中にじんわり旨みが広がります。

評価 3.3

もともとロゼという位置付けだが、もう完全に赤ワインです。北海道では、寒さに強い葡萄品種としてドイツ系やオーストリア系のブドウ栽培が行われてきました。ツヴァイゲルトの良さを素直に感じるワインです。

⑨【赤】ドメーヌ・ユイ T4 キャンベルアーリー 2018

ドメーヌ・ユイ(☆☆☆)|余市町

畑の開墾から栽培、醸造まで東京から移住してきた夫婦で行い、2020年から自家醸造をスタートした新しいドメーヌ。ナイアガラやキャンベルアーリー、ポートランドなどの品種を無農薬で栽培。亜硫酸などの添加物を加えず、野生酵母による自然なワインづくり。

キャンベルアーリー100%、ヴィンテージは2018年です。T4・T5区画の古木のキャンベルアーリーをタンク内で踏んでしっかり抽出した後、6ヶ月の樽熟成をしています。

ワインレビュー
若干濁りのある淡いガーネット色でロゼにも見える。とても甘い香りはいちごジャムのよう。酸味しっかりしたすっきりとした味わい。

評価 3.1

⑩【赤】平川ワイナリー スゴン・ヴァン ルージュ 2016

平川ワイナリー(☆☆☆☆)|余市町

2015年開業のワイナリー。”最高のワインづくりは、ブドウが育つ自然環境や風景そのものを香りや味わいの中に映し出すこと”と言うコンセプトのもと、テロワールを最大限表現したワインづくりを目指している。レストランの美食文化と共に歩んでゆける品質を追求し、世界中の人に笑顔を提供するために品質を追求するワイナリー。

ブドウ品種は、ドイツ系のレゲント。1996年に栽培が認可された新交配品種。ドイツ ファルツ地方ジーベルディンゲンの連邦ぶどう交配研究所で、ジルヴァーナーとミュラー・トゥルガウの交配種をさらにシャンボーソンとかけ合わせたもので、特定のカビ菌に耐性があり、ビオワインの生産に向く品種。とても新しいブドウ品種。

レゲント100%、ヴィンテージは2016年。

ワインレビュー
紫に近いガーネット。レーズン、カシス、化学製品ぽい香り。タンニンは中程度で酸味はしっかり、鉛筆の芯のようなニュアンスも。ピュアな味わい。カベルネ・ソーヴィニョンぽい。

評価 3.4

北海道ではドイツ系品種はやはり合うなと思える1本。ピュアな味わいで変な雑味がない。素直に美味しいと思えるワイン。

11 【赤】キャメルファームワイナリー レゲント プライベート・リザーヴ フジモト・ツヨシ 2017

キャメルファームワイナリー(☆☆☆☆)|余市町

コーヒーをはじめとする輸入食品を扱う「カルディコーヒーファーム」を運営する「キャメル珈琲(コーヒー)グループ」が、北海道で2014年に開業したワイナリー。約13ヘクタールのブドウ畑は、後継者を探していた地元農家の藤本毅さんから受け継いだもの。

キャメルコーヒーは世界の食品を輸入するため、世界のワイナリーやブドウ生産者の共存関係を知る。一方、日本では担い手不足が際立つ。世界に誇れるワインづくりを目指すことで、日本の農業の衰退や若者の農業離れを改善したいという志を持つワイナリー。

イタリアから醸造専門家を招き、長野や山梨など日本各地のブドウ産地を回ってもらった結果、「この土地なら世界でも勝負できるワインがつくれる」と推されたのが余市町だったという。特にスパークリングワインでは、北イタリアで主流のシャルマ方式を用いた高品質なワインが造られている。近年はピノ・ノワールの高品質なワインがリリースされている。

今回のワインのブドウ品種はレゲントをメインとして、ブラウフレンキッシュ、ツヴァイゲルト、ピノ・ノワールをブレンド。12ヶ月の樽熟成をしています。

ワインレビュー
紫に近いガーネット。レーズン、カシスの黒系果実にラズベリーの赤系果実も同居。シソやハーブのような香りも。タンニンはなめらかでとてもスムーズ。

評価 3.7

素直に美味しい。ハーブのニュアンスがシラーズっぽい。北海道ワインでは味わったことのない味わいがおもしろい。

さいごに

今回は全11種の余市町・仁木町のワインをいただきました。

全体的な印象として、北海道ワインの品質は向上しているものの、世界の背中はまだ遠いなと言うのが正直な印象。ドメーヌタカヒコだけは別格で、ブルゴーニュワインとも堂々と勝負ができる味わい。ただ、いかんせん生産量に限界があります。

余市・仁木では、家族経営の小規模生産者が多く、大量生産できないためどうしてもコストが高くなるのが現状。今は味わいで選ばれると言うより、北海道のワイン産業を応援したいと言う気持ちで飲むことが多い。

温暖化の影響もあり、ワインづくりに適した土地となりつつある北海道。志高いワイン生産者たちが北海道に来てくれている。個々での経営努力では限界もある。キャメルファームのように資金力のある企業が参画することも、品質向上に寄与し、北海道のワイン産業自体を盛り上げていく。

10年後、北海道ワインが世界に誇れる高品質なワイン生産地になっているよう、いちワイン好きとしてこれからも応援していきたい。