ワインのギモン

【初心者必見!世界の有名産地】イタリアワインの特徴と代表的な産地とワインをわかりやすく解説

イタリアは、フランスとならび世界で最も重要なワイン生産国の一つです。長い歴史を持ち、美食の国としても知られているイタリアは、多様な気候と地形を持つため、豊かな品種のブドウを育てることができます。

イタリアワインが大好きな人も多いでしょう。イタリアワインの魅力は、土着品種と呼ばれるその土地で昔から造られているブドウ品種が多彩なことです。フランスの国際品種と異なり、どこか素朴で温かみを感じるワインです。

一方で、ブドウ品種を多種多様すぎるゆえ、迷子になりがちなのもイタリアワインの特徴です。この記事では、イタリアワインの特徴と代表的な産地とワインについて、初心者にもわかりやすく解説していきます。意外と知られていないワインがあるかもしれません。ぜひ最後までご覧になってください。

この記事を読むことで

▼イタリア ワインの特徴がわかる

▼イタリアの代表的産地とワインがわかる

▼自分好みのワイン選びができるようになる

イタリアワインの特徴

①ブドウ品種の多様性

イタリアワインの1番の特徴は「多様性」です。土着品種と呼ばれるその土地ならではのブドウ品種が数多くあります。4000以上のブドウ品種が栽培されていると言われています。なお、フランスのブドウ品種は世界各地でつくられますが、イタリアのブドウ品種はほとんど海外でつくられることがないのも特徴です。

②多様な地域性

日本と同じく南北に長い国で、北から南まで様々な気候帯と土壌を有しています。この多様性が、異なる地域ごとに独自のワインスタイルを生み出す要因となっています。それぞれの地域は、ブドウの品種、栽培方法、製造プロセスにおいて固有の特徴を持っていて、20ある州全てでワイン造りがされています。

③伝統的で自然主義的なワイン造り

イタリアの多くのワイン生産者は、自然主義的なアプローチを取っています。つまり、農薬や化学肥料の使用を最小限に抑え、伝統的な栽培方法を大切にしています。古代ローマ時代からワイン生産が行われてきた歴史を持つイタリアでは、ワイン造りに関する知識が代々受け継がれてきました。それらの伝統的な技法が、今日のワインの品質に反映されています。これにより、独特な風味と個性を持ったワインが生み出されます。

④価格帯の幅広さ

イタリアワインはフランスワインに比べてリーズナブルで、幅広い価格帯で入手可能です。一般的なテーブルワインから、高級なプレミアムワインまで、予算や好みに応じて選ぶことができます。特に、リーズナブルな価格で高品質なワインを手に入れることができるため、初心者からワイン愛好家まで、幅広い層に人気があります。

また、もちろんモノによりますが、個人的なイメージとして、フランスワインは「服装をビシッとして背筋を伸ばして飲む」。イタリアワインは「カジュアルな服装でパスタやピッツァと気軽に楽しむ」そんなイメージです。

⑤料理とのペアリング

イタリアワインは、美食の国であるイタリアの料理との相性が非常に良いことで知られています。トマトベースのパスタソースに合うサンジョヴェーゼや、ピザやチーズと相性の良いバルベーラなど、多くのワインが食事との相性を重視して造られています。

イタリアの代表的なワイン産地 6選!

イタリアワインで押さえておきたいワイン産地を厳選してご紹介します。

ピエモンテ州

イタリア北部のピエモンテ州は、イタリアきっての高級赤ワイン産地です。ピエモンテ地方が原産のネッビオーロ種から造られる「バローロ」と「バルバレスコ」は世界的にも有名なイタリア最高峰ワイン。タンニンと酸味が強く、複雑な風味とアロマを持ち、熟成によって深みを増した味わいは、ブルゴーニュの高品質ワインに匹敵するエレガントな味わいのワインとなります。

他にも、モスカート・ダスティと呼ばれるモスカート種を使用した甘口でフルーティなスパークリングワインもこの地方のワインの一つです。

おさえておきたいピエモンテ州のワイン

バローロ、バルバレスコ

ネッビオーロ種100%から造られるエレガントな赤ワイン

モスカート・ダスティ

モスカート種を使用した甘口でフルーティなスパークリングワイン

トスカーナ州

トスカーナ州はイタリア中部に位置する美しい地域で、ピエモンテ州と並んで高品質なワインが数多く生産されています。州都は、「美食」と「芸術の都」フィレンツェです。

トスカーナ州を代表するワインといえば、「キャンティ」です。サンジョベーゼ種を主体とした赤ワインで、軽やかなスタイルから濃密で力強いスタイルまで様々なバリエーションがあります。「キャンティ・クラッシコ」はその中でも高品質な地域産ワインとされています。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノも100%サンジョヴェーゼ種で造られるトスカーナを代表する高級赤ワインです。バローロと並び称されることもあるバローロ・シングルヴァリエタルとして、長期熟成によって深みと複雑性を発揮します。

スーパータスカンは、イタリアのトスカーナ地方で生産される、伝統にとらわれないモダンなスタイルの高品質ワインです。地域的な規定や法律に従わず、国際品種や異なるブドウ品種の組み合わせ、新しい製法を採用して造られることが特徴です。スーパータスカンは、トスカーナワイン界に革命をもたらし、国際的な評価を受けるワインスタイルの一つとなりました。

おさえておきたいトスカーナ州のワイン

キャンティ、キャンティクラシコ

サンジョベーゼ種主体の世界的に有名な赤ワイン

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ

サンジョヴェーゼ種100%で造られるトスカーナを代表する高級赤ワイン

スーパータスカン

規定や法律に従わず、伝統にとらわれないモダンなスタイルの高品質ワイン

ヴェネト州

ヴェネチアを州都とするヴェネト州はイタリア北東部に位置し、イタリアでもワイン生産量の多い州の一つです。赤、白、スパークリングなど多彩なワインを生み出しています。

プロセッコは、イタリア国内外で非常に人気が高いスパークリングワインです。グレラ種を主に使用し、軽やかな果実味とフレッシュな酸味が特徴です。プロセッコはデザートワインとしてだけでなく、カクテルのベースとしても広く愛されています。

ソアーヴェは、グラッパ種を主体とする白ワインで、柑橘類のアロマやフレッシュな酸味が特徴です。軽やかで飲みやすいワインであり、ヴェローナ近郊のソアーヴェ地域で生産されています。

アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラは、コルヴィーナ、ルビンベッロ、モリナーラといったブドウ品種を使用して造られる高級赤ワインです。特有の製法で、レーズンのように乾燥させたブドウによる濃厚なエキスから造られるワインは、濃厚でジューシーです。長期熟成によって複雑性が増し、チョコレートやドライフルーツのアロマが感じられることもあります。

おさえておきたいヴェネト州のワイン

プロセッコ

グレラ種主体の軽やかなスパークリングワイン

ソアーヴェ

グラッパ種を主体とする軽やかな白ワイン

アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ

レーズンのように乾燥させたブドウによる濃厚でジューシーな高級赤ワイン

ロンバルディア州

ロンバルディア州はイタリア北部に位置し、州都はミラノです。ファッション、金融、観光の中心として、美術館や歴史的な建造物、エレガントなショッピングエリアなどが魅力とされる世界的にも有名な都市ですね。

フランチャコルタは、ロンバルディア州で生産される高品質なスパークリングワインです。シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で造られ、栽培されたシャルドネやピノ・ノワール、ピノ・ブランなどの品種を使用します。フランチャコルタはイタリアで最も評価の高いスパークリングワインの一つで、フレッシュな果実味と洗練された酸味が特徴です。

おさえておきたいロンバルディア州のワイン

フランチャコルタ

シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で造られるイタリアでもっとも高品質なスパークリングワイン

プーリア州

イタリア南部、ブーツのかかと部分に位置するのがプーリア州です。地中海に面し、温暖な気候と肥沃な大地のワイン産地です。

プリミティーヴォは、プーリア州が原産とされており、この品種を使用した濃厚で果実味豊かな赤ワインが生産されています。プリミティーヴォワインはしばしば濃密な果実味、スパイス、バニラのニュアンスを持ち、力強い印象を与えます。

ちなみに、プリミティーヴォのワインでもう一つ有名な産地といえば「カリフォルニア」です。こちらではジンファンデルと呼ばれています。

おさえておきたいプーリア州のワイン

プリミティーヴォ

プリミティーヴォ種による濃厚で果実味たっぷり、どこかバニラを思わせる甘い香りの濃厚な赤ワイン

シチリア州

シチリア島は、イタリア南部の地中海に浮かぶ美しい島で、豊かな自然環境と多様な気候を持ち、優れたワインが生産される地域の一つです。温暖な気候でありながら、高地では寒暖差のある気候など、シチリア島のワインはその多様性と個性的な風味をもち、国際品種のワインも多く造られるなど、ワイン愛好家に広く愛されています。

ネロ・ダ・ヴォーラは、シチリア島を代表する赤ワイン用ブドウ品種で、濃厚な果実味とスパイシーなアロマが特徴です。ネロ・ダ・ヴォーラワインは一般的にフルボディで力強く、肉料理やチーズとの相性が良いとされています。

おさえておきたいシチリア島のワイン

ネロ・ダ・ヴォーラ

シチリア島を代表する赤ワイン用ブドウ品種

国際品種

シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、シラーなど、シチリア島の気候や土壌に適応した地域独自の個性を持つワイン

さいごに

本記事では、イタリアワインの特徴と代表的な産地6つとワインについてご紹介いたしました。

多種多様なブドウ品種とワインがあることでワイン愛好家も多いイタリアワインですが、種類が多すぎてわかりずらいのもイタリアワインです。

本記事が参考となり、みなさんのワイン選びの参考になれば嬉しいです。