「ゆるっと楽しむ!世界が広がるワインセッション (ゆるっとワイン会)」の2回目を開催しました。
初心者大歓迎! ワインエキスパート資格を持つナビゲーターが、産地にフォーカスしてワインをセレクト。リラックスした雰囲気の中で美味しい料理とワインを一緒に楽しみしながら、気軽に質問・シェアできて ”ゆるっと学べる” コミュニティを目指しています。
2回目のテーマは「イタリア」。イタリアワインの魅力は圧倒的な多様性です。その土地ごとにワインがあり、公認されている土着品種だけでも約400種以上。非公認を含めるとその数は1,000種以上とも言われます。
反面、何がいいのかわかりずらいのもイタリアワイン。ゆるっとワイン会では、これまでの経験をフルに活かしながらイタリアを代表するワイン8本をラインナップしました。
また、共同主催者の計らいで1本ワインが追加され、最後にアマローネとのブラインド比較もやってみました。これがなかなかオモシロイ結果に。まずは前半をレポートします。
▼ワインリスト
- 【泡】 ロンバルディア州|カ デル ボスコ フランチャコルタ キュヴェ プレステージ エディツィオーネ46 NV
- 【白】サルディーニャ島|ピエロ マンチーニ ヴェルメンティーノ ディ ガッルーラ 2023
- 【白】トレンティーノ・アルト・アディジェ州|カンティーナ ラヴィス トラディション シャルドネ 2023
- 【白】ヴェネト州|アンセルミ サン ヴィンチェンツオ 2022
- 【赤】ピエモンテ州|テッレ デル バローロ バルバレスコ 2017
- 【赤】ピエモンテ州|テッレ デル バローロ バローロ 2017
- 【赤】トスカーナ州|バンフィ ブルネッロ ディ モンタルチーノ 2017
- 【赤】ヴェネト州|マァジ コスタセラ アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラシコ 2018
ゆるっと楽しむ!世界が広がるワインセッション 〜産地の特徴まるわかり イタリア編〜

①【泡】 カ デル ボスコ フランチャコルタ キュヴェ プレステージ エディツィオーネ46 NV
産地:ロンバルディア州 品種:シャルドネ、ピノ・ネーロ、ピノ・ビアンコ 生産者:カ・デル・ボスコ
イタリア北部 アルプスの麓にあるロンバルディア州は、イタリアで唯一「瓶内二次発酵方式」のスパークリングワインにDOCG(最上級格付け)が与えられている特別な地域です。使用される品種はシャルドネ、ピノ・ネーロ、ピノ・ビアンコ。シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で、フレッシュな果実香や花の香り、柔らかく丸みのある味わいが特徴です。シャンパーニュの15ヶ月熟成規定を超える24ヶ月以上の熟成を経て生まれるきめ細やかな泡と上品な味わいは、イタリアを代表するエレガントなスパークリングワイン
イタリア・ロンバルディア州フランチャコルタの名門「カ・デル・ボスコ」。エディツィオーネ46は46回目のキュヴェで、シャルドネを主体にピノ・ネーロとピノ・ビアンコをブレンド。熟成期間は平均で25ヶ月。味わいはクリーンで繊細な香りが美しく広がります。その理由の一つが最新のブドウ洗浄システム。有機栽培で収穫したブドウを洗浄し、醸造中のバクテリア繁殖を防ぐSo2を最小限にしています。また、ポンプを使わずワインへのストレスをなくす醸造設備など、フランスの一流シャトーでも一部しか採用されていない最新鋭設備で、フレッシュで透明感があるだけでなく、コクのある深い味わいに仕上がっています。

ゴールドに近い黄色の色調。りんごの香りが主体的で、黄色の果実、フローラルの香りがします。リザーブワインに使われてるであろう樽のニュアンスも感じます。フレッシュな果実味、穏やかで綺麗な酸、ミネラル、旨みのバランスが良く、余韻が長く続きます。シャンパンと比べて、完熟した果実の旨みが出てるのが印象的。とてもいい。
点数:4.1(5点満点)
【白】ピエロ マンチーニ ヴェルメンティーノ ディ ガッルーラ 2023
産地:サルディーニャ島 品種:ヴェルメンティーノ100% 生産者:ピエロ・マンチーニ
イタリア・サルディーニャ島は年間300日以上が晴天とされる温暖な気候。地中海の強い日差しによってブドウは完熟し凝縮感がありながらも、潮風によって爽やかさとミネラル感に富むサルディーニャならではのブドウが育ちます。イタリアではワインは食事との相性が重要視されますが、ヴェルメンティーノは魚介類との相性が抜群と言われています。柑橘とハーブの香り、ミネラルのキレが心地よい白ワインです。
ピエロ マンチーニ社はサルデーニャ島の名産地「ガッルーラ」の90%を所有するサルディーニャを代表する生産者。フレッシュ感を生かすためステンレスタンクによる醗酵・熟成。洋梨や青リンゴ、グレープフルーツなどフレッシュな果実味とミネラルが特徴の白ワイン。DOCGヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ。

わずかに緑がかったレモンイエロー。桃や洋梨など南国フルーツ、白い花、ハーブの香り。アタックは完熟した豊かな果実味だが、次第にミネラルや塩味を感じる。この塩味が魚介に合うんだろうな。南国フルーツだけど魚介に合う不思議さ。北海道の海鮮料理とも合う。
点数:4.0(5点満点)
【白】カンティーナ ラヴィス トラディション シャルドネ 2023
産地:トレンティーノ・アルト・アディジェ州 品種:シャルドネ100% 生産者:カンティーナ ラヴィス
北イタリア最北端 アルプスの懐のレンティーノ・アルト・アディジェ州。昼夜の寒暖差と石灰質土壌が生むキリッとした酸と澄んだミネラル感が特徴で、生産量の7割以上が白ワイン。気候と土壌がフランス シャンパーニュに酷似していると言われ、イタリアでは珍しく国際品種のシャルドネが生産量の1位。イタリアを代表する白ワインの銘醸地です。
カンティーナ ラヴィス社は2012年、イタリアで最も権威あるワイン賞「オスカー・デル・ヴィーノ」でイタリア全ワイナリー約38万社を代表する3社に選出されました。畑は徹底した土壌分析によって、アルプス麓に広がる急斜面にあります。アルプス山麓の冷涼な空気と豊かな日照によって酸度と糖度のレベルの高いブドウが育つテロワール。農薬や肥料をほぼ使わず、醸造時は最新設備によって酸化防止剤(SO2)の使用を極限まで抑えた自然派醸造を行っています。

淡いレモンイエロー。レモン、グレープフルーツなど柑橘系、チョークの香り。フレッシュな柑橘果実で爽やかな酸、クリーンな印象の味わい。アフターまでスムーズで心地よい。ACブルゴーニュのような味わい。
点数:4.0(5点満点)
【白】アンセルミ サン ヴィンチェンツオ 2022
産地:ヴェネト州 品種:ガルガーネガ、シャルドネ、ソーヴィニョン・ブラン 生産者:アンセルミ
イタリアのワイン産地の中でも生産量・輸出量ともにトップクラスを誇るのが、北東部に位置するヴェネト州。ソアーヴェは、1960〜80年代に日本やアメリカでも一大ブームを巻き起こしました。しかしその裏で、平地での大量生産が進み、品質低下とブランドイメージの劣化が進行しました。しかし近年では、伝統的な造り手やビオディナミ生産者がソアーヴェの“本来の魅力”を追求し、ミネラル・テロワール・熟成可能性に着目した高品質なワインが増加しています。和食との相性も抜群なイタリアを代表する白ワインです。
アンセルミ社はソアーヴェの代表的な生産者であるにもかかわらず、大量生産による品質低下に意を唱えDOCソアーヴェを自ら脱退し、あえて格下の「I.G.T.(地理的表示ワイン)」となっています。さらに、より味わいを追求した結果、地元品種のガルガーネガに加え国際品種のシャルドネやソーヴィニョン・ブランをブレンドしています。ソアーヴェを愛するが故に独自のワイン造りを実践する孤高の生産者がアンセルミです。

ゴールドに近い黄色の色調。桃、洋梨、パイン、明るい陽の光のイメージ。味わいは南国フルーツの果実にキレの良い酸、ミネラルが高次元でバランス。飲むと気持ちが明るくなる大好きなワイン。
点数:4.2(5点満点)
〜後半につづく〜
後半のレポートはこちら
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